
「長相思」シリーズの“溺愛系男子”塗山璟/葉十七役で注目を集めたドン・ウェイが一転、闇を抱えたキャラクターを演じ大ヒットしたファンタジー古装ロマンス「仙台有樹〈せんだいゆうじゅ〉~二度目の恋結び~」(2025年)が、6月7日(日)からCS放送「衛星劇場」で日本初放送される。「恋の特効薬~Mission of Destiny~」でデビュー1年目にしてヒロインを射止めた若手注目株シアン・ハンジーを相手役に繰り広げる“師弟逆転”のロマンス、その見どころとは?
■“師弟逆転”プロットで見せる2通りの愛のかたち
「仙台有樹~二度目の恋結び~」は、2025年2月に中国で配信開始するやいなやランキング1位を獲得し、総再生回数9億回を突破した話題作。それほどまでに注目を集めた大きな要因が、“師弟逆転”ロマンスというユニークな設定だ。
人間だが仙人になれるほどの力を持つ西山派の長・沐清歌(ムー・チンゴー/シアン・ハンジー)は、有望な若者・蘇易水(スー・イーシュイ/ドン・ウェイ)に興味を持ち、彼を無理やり弟子にした。易水に魔の脅威が迫ると、清歌は易水を救うため、自分の命にも等しい力“金丹”を捧げて悪の力“霊泉”を封印するが、決死の行動は理解されるどころか誤解され、四大宗派の連合に討たれてしまう。

清歌が命懸けで自分を救ってくれたことを彼女の死に際に初めて理解した易水は、清歌を転生させたい一心で懸命に“転生の木”を探し、自分の金丹の半分を差し出す。20年後、清歌は薛冉冉(シュエ・ランラン/シアン・ハンジー)として生まれ変わり、易水は、病弱な冉冉を「今度こそ一生守り抜く」と固く誓う。だがその頃、再び霊泉の封印が緩み、新たな魔が世を乱そうとしていた…。
ストーリーを牽引するのは、ドン・ウェイとシアン・ハンジーによる2つの愛のかたちだ。前半は、易水を大切に育てようとする清歌の献身。そして清歌の死後は、いなくなって初めて彼女の大きさに気づいた易水が清歌の生まれ変わり・冉冉に対して見せる命懸けの愛情が、ドラマを動かしていく。

■ドン・ウェイが体現する“孤独”と“献身”
そんな本作は、ドン・ウェイとシアン・ハンジーそれぞれのキャラクターの変化も大きなポイントだ。
ドン・ウェイ演じる蘇易水は、親の愛を知らず過酷な幼少期を過ごしたせいで、差し伸べられたあたたかい手を受け入れることができない。天賦の才を見抜いた清歌に「私の弟子になりなさい」と誘われても「魔女になど従うものか!」と反発してばかり。騙されて師弟の契りを結ばされると、反抗期の子どものように清歌に食って掛かる。

ドン・ウェイといえば、「長相思」(2023年)で演じた塗山氏の嫡子・塗山璟が印象深い。塗山璟は、瀕死の重傷を負って死にかけているところをヤン・ズー演じる主人公・小六に救われ、小六に忠誠を誓うキャラクター。小六が女性だと早い段階で気づき、彼女を一途に想う姿は同作のイケメン4人衆の中でも特に視聴者に愛され、配信サービス「Tencent Video」のキャラクター熱度歴代新記録を樹立したほどだ。ほかにも「千紫万華(せんしばんか)~重紫(ちょうし)に捧ぐ不滅の愛~ 」(2023年)ではヒロインを助ける同期の仙人役など、好印象なキャラクターが多かった。
そんなドン・ウェイが、初主演作である今作「仙台有樹―」では闇を抱えたキャラクターで印象を一変させている。清歌の献身に気づかず反発し、隙を見ては清歌との師弟の契りを断ち切ろうと大暴れ。「必ず殺す!」と殺気立った目で清歌を睨みつける。
だからこそ、そんな自分を清歌が命懸けで救ってくれたことを知った時のショックも大きい。二度と清歌を取り戻すことができない後悔が愛情に変わり、易水は清歌の転生を切望する。
■易水を翻弄する2人の女性 シアン・ハンジーが好演
そんな易水のひねくれた愛情を一心に受ける追憶の師匠・沐清歌と、その生まれ変わり・薛冉冉を演じるのが、2002年生まれ、米国出身の女優シアン・ハンジーだ。

デビュー1年目の2018年、「恋の特効薬~Mission of Destiny」でいきなりヒロインに抜てきされ注目を集めた彼女。今作では実年齢で7歳年上のドン・ウェイを相手に、初々しい弟子・冉冉はもちろん「尖った弟子の調教も楽しいわよ」と明るく語る師匠・清歌のおおらかな人柄までも実年齢20代前半とは思えない安定感で演じ、生まれ変わっても途切れない魂の絆を体現してみせた。
仙人になれるほどの強者・清歌と、生きているのが不思議なくらい体が弱く霊根も皆無の冉冉という正反対の属性を見事に演じ分ける一方で、ほがらかで明るい面影や人助けが好きな性格は引き継いでいる。
この2役が活きるのが、易水が冉冉の中に清歌の面影を見出し、想いがあふれてキスしてしまうシーンだ。想いを寄せる師匠・易水から突然キスされ「酔っているのですか」「私に、誰を見ているのですか」と悲しげに尋ねる冉冉。易水にとっては目の前にいるのが清歌ではないと思い知らされ、冉冉も、易水が自分を通して別の誰かを見ていると気づいてしまう。そんな切ないキスから、易水と冉冉の間に新たな関係が芽生えていく。

闇を抱えたドン・ウェイが2つの愛によって変わっていく姿に胸打たれる「仙台有樹~二度目の恋結び~」。転生といえば人生をやり直す設定も多いが、今作で描くのは“やり直し”ではなく2通りの恋模様。シアン・ハンジー演じる清歌/冉冉との2通りのカップリングそれぞれが胸を打つ、壮大なファンタジーロマンスだ。
◆文=酒寄美智子

