
韓国の人気ウェブトゥーンが原作の韓国ドラマ「孤島のエリートドクター」が、6月1日に配信された。主人公の形成外科医ト・ジイを演じるのは、俳優デビュー約8年にしてすでに主演作をいくつも世に送り出している人気俳優イ・ジェウクだ。デビューからわずか4年ほどで総製作費400億ウォンともいわれる超大作「還魂」(2022年)シリーズの主演に抜てきされた選ばれしスター・ジェウクのキャリアに迫る。
■「いろいろな人生を生きてみたい」俳優の道へ
ジェウクが「孤島のエリートドクター」で演じるト・ジイは、都会から来たエリート形成外科医。トラウマを抱えて心を閉ざしていたジイは、思いがけず赴任することになった辺境の島で、遠慮なく距離を詰めてくる住人たちや襲い掛かる虫に逃げ回りながら、少しずつ自分の殻を破っていく。
配信中の第1話から、すらりとスタイリッシュな白衣姿が目を引く。身長187cmのモデル体形だがモデル出身というわけではなく、最初から演技一本でスター街道を駆け上がってきた。
明るく好奇心旺盛な性格で、高校生の頃から“やったことのない業種がない”というほどさまざまなアルバイトを経験してきた彼。そんな性格が、俳優という仕事にぴったり合っていたようだ。
YouTubeチャンネル「ホン・ソクチョンの宝石箱」に出演した際、俳優を志望した理由として「一つの仕事をずっとしていると飽きてしまうんです。将来何をしようかなと考えたときに、いろいろな人生を生きてみたい、それなら俳優になれたらすてきじゃないかと思ったんです」と打ち明けている。
そんな思いから高校時代に演技スクールに通い始め、大学も演劇科に進学。1年生のときに学校を通して知ったドラマのオーディションに経験のつもりで応募したところ、あれよあれよと勝ち進み、ドラマ「アルハンブラ宮殿の思い出」(2018年)で俳優デビューを果たした。
■「偶然見つけたハル」「還魂」…大作・話題作に次々キャスティング
こうして導かれるように演技の世界に足を踏み入れたジェウクだが、デビュー後も快進撃は続いた。「アルハンブラ宮殿の思い出」で悪役キャラ・マルコを演じて強いインパクトを残すと、デビュー後1年ほどの間に「恋愛ワードを入力してください~Search WWW~」「偶然見つけたハル」、映画「長沙里9.15」(すべて2019年)に立て続けに出演した。
「恋愛ワードを入力してください」では、普段は甘いが役に入ると人が変わる30歳の無名俳優ソル・ジファンを、「偶然見つけたハル」では、ヒロインと婚約中だが冷たい態度をとる高校生ペク・ギョンと、新人とは思えないほど多彩な年代・性格の役柄をこなし、「偶然見つけたハル」では「2019 MBC演技大賞」の新人賞も獲得。瞬く間にライジングスターへの道を歩み始めた。
2020年には、音楽がテーマのロマンス「ドドソソララソ」(2020年)でドラマ初主演。そして、人気脚本家ホン・ジョンウン&ホン・ミラン姉妹が企画した大型時代劇ドラマシリーズ「還魂」の主人公に抜てき。架空の国・大湖(テホ)を舞台に人と人の魂を移し替える“還魂術”によって運命を変えられてしまった登場人物たちの成長を描いた同作で、ジェウクは名家チャン家の“お坊ちゃん”チャン・ウクを演じ、流麗な剣術アクションも披露した。
当初は、総製作費400億ウォンに迫るとも言われる大作シリーズの主演にデビュー数年の若手を抜てきすることを不安視する声もあったという。だが公開されると、強くなることに誠実で愛嬌(あいきょう)もあるウクのキャラクターが人気を集め、「この役はイ・ジェウクにしかできない」の声も上がるほど高い評価を得た。
■徹底したトレーニングで本格アクションも披露
「還魂」シリーズの成功を機に、押しも押されもせぬ主演級俳優へと成長を遂げたジェウク。その後も、“殺人者の息子”のレッテルを貼られた青年が復讐(ふくしゅう)心を糧にのし上がっていく姿を描いた「予期せぬ相続者」(2024年)、記憶を失って12年ぶりに帰還した若者の戦いとロマンスを描いた「呑金/タングム」(2025年)など次々と話題作で主演を務めた。
「呑金/タングム」では、本格的な剣術や素手アクションを習得するため、撮影の数カ月前からトレーニングを重ねて準備。終盤は体脂肪率5%にまで体を絞り、山中ロケでの撮影を含むアクションシーンの約90%を自ら演じたことも話題になった。
こうしてキャリアを重ねる今も演技への情熱は高まる一方で、休みの日でも頭の中は演技でいっぱい。映画やドラマを手当たり次第に見ては、自分だったらどう演じるだろうかと考えて過ごしているという。
■最新作ではコミカルな演技を披露
最新作「孤島のエリートドクター」では、トラウマを抱えて心を閉ざすジイが明るい看護師ハリ(シン・イェウン)と出会い、恋に落ちる姿が描かれる。一方で、都会からやってきたジイが個性あふれる島民たちに振り回されるコミカルなシーンも多く、コメディー俳優としての資質もしっかりと見せてくれている。
そんなコミカルなキャラクターと、ファンが待ちわびた長身に白衣姿という完璧なビジュアルとのギャップも、本作ならではの見どころの一つだ。1話では、医療専門用語を連発しながらドクターヘリに乗り込むカッコいいシーンも。その後、島に帰る手段が苦手な船しかなくて右往左往するシーンまで含めて、彼ならではの愛嬌あるキャラクターを作り上げている。
5月18日に訓練所に入所し、現在は兵役義務を遂行中のジェウク。除隊後の活躍を楽しみにしつつ、スタートしたばかりの最新作「孤島のエリートドクター」でのロマンス演技に期待したい。
「孤島のエリートドクター」(全12話)は、毎週月・火曜にディズニープラス スターにて独占配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

