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「脳動脈瘤」は小さくても“落とし穴”?破裂リスクを上げる『あの原因』とは【医師監修】

「脳動脈瘤」は小さくても“落とし穴”?破裂リスクを上げる『あの原因』とは【医師監修】

未破裂脳動脈瘤が発見されても、すぐに手術が必要とは限りません。動脈瘤の大きさや形、患者さんの年齢や全身状態などを総合的に判断したうえで、経過観察か手術かを選びます。開頭クリッピング術や血管内治療(コイル塞栓術など)といった手術方法の概要と、経過観察を選ぶ際のポイントについて、わかりやすくお伝えします。

伊藤 たえ

監修医師:
伊藤 たえ(医師)

浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。

未破裂脳動脈瘤が見つかったときの選択肢

このセクションでは、未破裂脳動脈瘤が発見された後に取り得る選択肢について解説します。治療の必要性は一律ではなく、専門医と相談しながら、個人の状況に応じた最善の判断を下すことが重要です。

経過観察という選択肢

未破裂脳動脈瘤が発見されても、すべての方がすぐに治療を必要とするわけではありません。動脈瘤の大きさ・形・場所、そして患者さんの年齢・全身状態・生活背景などを総合的に考慮し、治療を行うか経過観察を続けるかを判断します。医師は、国内の大規模な調査データ(UCAS Japanなど)に基づいた破裂リスクの評価基準も参考にしながら、 個々の患者さんにとっての治療の利益とリスクを天秤にかけます。

一般的に、動脈瘤が小さい場合(目安として最大径が5mm未満など、場所や形状で基準は異なります)や、患者さんの年齢が高く治療自体のリスクが大きい場合などは、経過観察が選ばれることがあります。経過観察中は、半年から1年に1回程度の頻度でMRIやMRAを撮影し、動脈瘤の大きさや形に変化がないかを追跡します。特に、形がいびつになったり、「ブレブ」と呼ばれる小さなこぶが新たに出現したりした場合は、破裂リスクが高まっているサインと考えられ、治療方針の変更が検討されます。

経過観察を行う場合でも、高血圧の管理や禁煙、過度な飲酒を控えるなど、動脈瘤破裂のリスクを高める要因をできる限り取り除くことが重要です。定期検査を欠かさず受け、異変を感じたときには速やかに担当医に相談することが求められます。自己判断で通院を中断することは避けるべきです。

手術治療の選択肢と概要

動脈瘤の状態や患者さんの状況によっては、手術による治療が検討されます。主な手術方法として、「開頭クリッピング術」と「血管内治療(コイル塞栓術など)」があります。

開頭クリッピング術は、頭蓋骨(ずがいこつ)の一部を開けて脳に到達し、顕微鏡で動脈瘤を直接見ながら、その根元をチタン製のクリップで挟んで血流を遮断する手術です。根治性が高く、長年の実績がある標準的な治療法です。一方、血管内治療は、足の付け根や手首の動脈からカテーテルという細い管を脳の血管まで進め、動脈瘤の内側にプラチナ製のコイルを詰めて血液の流入を止める方法です。開頭を伴わないため身体への負担が少なく、近年ではこの治療が選択されるケースが増えています。近年では「フローダイバーター」という特殊なステントを留置する新しい血管内治療も登場しています。

どちらの方法が適しているかは、動脈瘤の位置・形・大きさ、患者さんの全身状態などによって異なります。担当医との十分な話し合いを経て、患者さん自身が納得したうえで治療方法を選ぶことが大切です。いわゆる「セカンドオピニオン」として、別の医療機関でも意見を聞くことも選択肢のひとつです。

まとめ

未破裂脳動脈瘤は、その存在を知ることで大きな不安を感じるかもしれませんが、正しい知識を持つことが冷静な第一歩です。多くは生涯破裂しませんが、破裂の前兆となりうる「いつもと違う激しい頭痛」や目の症状には注意が必要です。診断後は、動脈瘤の特性やご自身の健康状態に応じて、経過観察か手術かを担当医と慎重に検討します。どちらの選択肢でも、高血圧の管理、禁煙、ストレスコントロールといった生活習慣の見直しが破裂リスクを低減させる鍵となります。定期的な検査を欠かさず、不安なことは専門医に相談しながら、心身ともに健やかな毎日を送ることを目指しましょう。

参考文献

日本脳神経血管内治療学会「脳動脈瘤について」

国立循環器病研究センター「脳動脈瘤」

厚生労働省 e-ヘルスネット「脳血管障害・脳卒中」

日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021(改訂2025)」

配信元: Medical DOC

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