
“切らずに若返る”“1日3分でリフトアップ”―。ここ数年、SNSやweb広告で存在感を増しているのが、“顔ヨガ”や“表情筋トレーニング”。中でも、顔ヨガブームの火付け役として知られ、現在は表情筋研究家として活動している間々田佳子さんのメソッド本は、多くの女性たちが“自宅美容”として取り入れているようだ。その一方で最近、美容業界からは“顔を動かしすぎることでシワが深くなるのでは?”との指摘も出ている。実際、反アンチエイジング系の豪快イメージの女優が「顔の筋肉をよく使うからか、年齢とともにシワの入り方が独特になる」と囁かれたり…。笑う、飲む、しゃべる―そんな“表情の豊かさ”は魅力でもあるが、一歩間違えば“クセ”として刻まれていくのか。そこで、ライターM子と業界コーディネーターX男の連載コンビが「R.O.clinic(アールオークリニック)」(東京・渋谷区)の呂秀彦院長のもとに急行。「“顔ヨガ美容”のリアル」についてが聞き出した。
M子:最近、顔ヨガって完全に定着しましたよね。美容本コーナーにも普通に並んでます。顔ヨガって、美容的にはいいものなんでしょうか?
X男:美容医療が怖い人にとって、“自力で何とかしたい”って需要が大きいんだろうね。
呂院長:難しい質問ですね。お顔の緊張をほぐすには良いかもしれません。お肌のハリとか小さな予防になるかもしれません。ただし、表情シワ等が深くなるケースが考えられます。そうするとマイナス面が大きいかもしれません。
M子:なるほど…“絶対に良い”とは言い切れないんですね。確かに“表情筋を鍛えすぎた感じ”の顔立ちはあるかも。シワの折り目が強くなるというか。具体的には、どんな動きがリスクになるんでしょうか?
呂院長:例えば、咬筋(エラ部分)は、噛む癖(歯を食いしばったり)をするとエラは発達して大きくなりますし、口を大きく開けたり目を強く閉じたりを長期的に続けていとシワが深くなったりすることあります。
M子:あー、顔ヨガ動画って、“限界まで顔を動かす”系も多いですもんね。舌を動かし続けたらアゴが痛くなって、一時期、顎関節症みたいになったことがあります。では、“顔を動かす=若返る”とは限らない? 私は笑い方も豪快なほうなんですけど、“表情のクセ”って積み重なるということですか?
呂院長:先ほども申し上げた通り、その通りです。
M子:かなりハッキリでした(笑)。
“動きを抑える”か“溝を浅くする”か
X男:“顔は鍛えれば鍛えるほどいい”って、筋トレ感覚で考えちゃう人、多いよね。シワ改善という意味では、美容医療とはどう違うのでしょうか?
呂院長:ボトックス、ヒアルロン酸は、理論的な医学的アプローチですので、基本的に違います。シワをできにくくするのが、ボトックス注射で、深いシワを浅くするのがヒアルロン酸です。
M子:なるほど。“動きを抑える”のか、“溝を浅くする”のかで全然違いますしね。顔ヨガが“攻め”なら、美容医療は“コントロール”って感じですか?
呂院長:とにかく、お顔の状態を見てみないと、何がより良い治療なのかわかりませんからね。
M子:結局、“全員に効果が高い簡単自宅美容法”って存在しないんですかね。SNSで流行ってるから真似する、じゃなくて、“自分の顔質”を知ることのほうが大事なのかも。
X男:笑うことも、しゃべることも “人生”として刻まれていく時代だからこそ、美容に求められているのは、SNSの話題に流されず “いかにナチュラルな若返り治療ができるかが重要じゃないの?
M子:その言葉、しみる~。
【 連載コンビ・プロフィール】
M子:美容と芸能のライター歴25年。誰もチャレンジしない時代に、女性誌で初めてプチ整形を体験取材した一人。美容整形への風当たりが強い時代から美容術の「今」を追っている。
X男:美容整形業界に長く在籍し、コーディネーターとしてTV・出版業界、芸能事務所、財界にも太いパイプを持つ。
(写真はイメージです)
