
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。
今回はスーパーやコンビニのレシートの裏、ノートの切れ端、飲食店の紙ナプキンなどに小さな出来事を描いた『ぶぶちよ絵日記』の作者・bubuchiyo(ぶぶちよ)さんに注目し、X(旧Twitter)に投稿された『無題』をご紹介しよう。
同作は、bubuchiyoさんが飼っている猫たちの様子を描いた絵日記。以前bubuchiyoさんのXにポストされると、1500以上の「いいね」が寄せられている。そこで作者のbubuchiyoさんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
■自分以外のごはんが気になってしまう猫

ある日、2匹の猫たちのためにごはんを用意したbubuchiyoさん。2匹分の容器を置くと、1匹の猫が自分のごはんではなく、もう1匹の猫のごはんが気になる様子。中身は一緒なのに、その猫は自分のものではないごはんの方を食べてしまうのだった。読者からは「猫あるある(笑)」「どことなく全体から漂う哀愁が心地よい」などの声が上がっていた。
■作者・bubuchiyoさん「自分の気持ちを日々確かめたいという思いで描き始めました」

――エッセイ漫画を描くようになったきっかけをお教えください。また、ご自身や登場人物を“猫のようなキャラ”として描くようになった経緯もぜひお聞かせください。
最初は「作品を作ろう」というより、自分の気持ちを日々確かめたいという思いで描き始めました。生きていると、不安になったり、焦ったり、うまく言葉にできない感覚がたくさんあります。絵日記を描いている時間だけは、そういうものを自分で確かめることができる、そんな感じがして自然と続けるようになりました。
また、登場人物を猫のようなキャラクターにしたのは、絵日記としてサクッと描けるものを選んだのがきっかけです。「誰か特定の話や出来事」としてではなく、自分の内側で起こる「揺れ」をテーマに描いてきました。その「揺れ」を描くのが最初は怖くて…でも猫にすることで現実と空想の間のような、少し余白のある世界にできたことが結果的に一歩踏み出す背中を押してくれたのだと思います。
――今回取り上げさせていただいた『無題』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
猫たちは、ただそこにいるだけで感情が伝わってくる瞬間があって、この作品もそういう日常の小さなやりとりをそのまま残したい気持ちで描きました。
基本いつも仲良く過ごしていますが喧嘩、場所の取り合い、相手のおやつを食べちゃうなどの場面に遭遇することがあります。相手のごはんを食べてしまうのはマウントやただの食いしん坊など理由はいろいろらしいのですが、「そっちのごはんを食べたい」瞬間がなんだか愛しく思えて描きました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
説明しすぎず、表情や間、動きで感情が伝わるように意識しました。猫が「同じごはん」をじっと狙っているところや、最後にみんながしょうがないな、みたいな感じになっているところが私たちの日常を表現できて気に入っています。
――読者へメッセージをお願いします。
絵日記を描いていると、自分の中にある小さな感情や感覚の揺れに、少しずつ気づけるような気がしています。
うれしい、さみしい、不安、安心…
そういうものはきれいに言葉にできないことも多いけれど、「今こう感じているんだな」と、ただ見つめるだけで少し力が抜けるような瞬間があります。
私の絵日記は、誰かに何かを伝えたいというより読む人それぞれが自分の感覚をそっと確かめられるような、そんな場所になれたら嬉しいです。
日々の中で揺れながら生きていることを、少しやさしく肯定できるような作品をこれからも描いていきたいと思っています。

