「お手」を拒まれないようにするための改善策

ルールの明確化と号令の統一
ジャパンケネルクラブ(JKC:国際的な愛犬団体)の訓練競技会では、「お手」は犬の右前足、「おかわり」は左前足という規定があります。しかしご家庭で教える場合は、この規定にこだわる必要はありません。ただし、事前に「お手」と「おかわり」をどちらの足にするかを決め、ご家族内で統一しておきましょう。
なお、犬は利き足を最初に出す傾向があるため、家庭犬の場合は利き足を「お手」に、反対側の足を「おかわり」にすることが多いようです。
愛犬に合わせた教え方
犬に「お手」を教える場合、動作を①前足を上げる、②前足で飼い主の手に触れる、③前足を飼い主の手のひらに乗せる、と3つのステップに分解し、順に教えていきます。
例えば①のステップでは、足に軽く触れると自ら足を持ち上げる子もいれば、自分の意思では持ち上げない子もいます。こうした個々の特徴や性格に合わせて、その子に合った教え方を見つけてあげましょう。
犬の集中力は、一般的に5分程度しか続きません。なかなか覚えられないからといって、長時間のトレーニングをしても意味がありません。それどころか、トレーニング嫌いになってしまうこともあります。短時間のトレーニングを複数回繰り返すようにしましょう。
必要以上に足を握らない
敏感な犬にとって、信頼している飼い主さんといえども、足を握られるのはやはりあまり気持ちの良いことではないでしょう。「お手」は「ご褒美をもらえる」ことで「お手をすると良いことがある」と学習することで成立します。
お手をした愛犬の足を、強く握ったりなかなか離さなかったりすると、「お手をすると嫌なことがある」と学習してしまうので気をつけましょう。
まとめ

犬が「お手」をしない理由には、トレーニング方法だけでなく心理面や身体面なども関係しています。愛犬をよく理解して「お手」を教えることは、飼い主さんと愛犬とのコミュニケーションを深めたり、体のどこを触っても「飼い主さんなら大丈夫」だと思ってもらえたりすることにつながります。
基本のしつけが一通りできたら、次はぜひ「お手」にも挑戦してみてください。楽しいトレーニングで、愛犬との距離もきっと縮まることでしょう。

