退職交渉をめぐり弁護士に有償で法律事務を紹介したなどとして、弁護士と運営会社の前社長らが弁護士法違反罪などに問われた「退職代行モームリ」事件で、運営会社「アルバトロス」前社長・谷本慎二被告らの論告求刑公判が6月5日、東京地裁であった。検察側は慎二被告に懲役2年、妻で執行役員だった志織被告に懲役1年6月、法人に罰金200万円を求刑し、結審した。判決は8月28日。
検察側は論告で、顧客1人当たり1万6500円の紹介料を、労働組合への賛助金やアフィリエイト広告の業務委託料名目などとして受け取っていたと指摘。弁護士2名から受け取りを繰り返したのは1年8カ月で174人分の280万円余に上り、常習的で悪質だとした。弁護士の社会的な信用を害することにもつながり、結果は重大だと述べた。
弁護側は最終弁論で、弁護士法違反という前例の少ない事件について量刑をどう判断するかについて述べた。「稚拙で愚かではあるが、愚かであることを罰するのではなく、刑事罰を科すときにそれをどう評価するか考えるべき」「単に執行猶予を付すのではなく、実態に沿った判決を出してほしい。私たち法律家が関わってしまった事件について、慎重に判断してください」などと主張した。
最終意見陳述で慎二被告は「退職代行という注目度の高い業界で、罪を犯してしまったことを非常に反省している」と述べた。両被告は初公判で起訴内容を認めている。

