
親世代は元気なように見えても、ささいな転倒で前触れなく介護が必要になったり、入院して急激に認知機能が衰えたりすることがあります。そこで、親の介護のために自分が疲弊してしまわないよう、今のうちから親や兄弟姉妹とやっておくといいことを紹介しましょう。ポイントは事前の備え、つまりシミュレーションです!

教えてくれたのは…
▷介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子さん
1993年より老親介護の現場を取材。『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(共著、KADOKAWA)など、著書多数。
https://www.ota-saeko.com/
「仕事と介護は両立」を前提に体制作りを

介護は一つのプロジェクト。「司令塔」の役割がポイントに!
介護が必要になった場合、最初に体制づくり、役割分担を明確に。「現役で働いている世代は、直接介護をするより、かかりつけ医やケアマネジャー、兄弟姉妹と連携する〝キーパーソン〟の役割を果たすのがベター。司令塔となって各所と連携を取り、円滑な介護を目指しましょう」(太田さん)
介護のために仕事を辞めるのは長い目で見るとダメージ大
離職しないと介護できないという人もいますが、プロと連携を取れば、仕事の継続は可能、と太田さん。「介護離職をすると再就職しても収入減となる傾向で、自身の老後も不安に。また、離職しても精神的、肉体的な負担は減らないというデータも。仕事と介護は両立を前提に考えて」

介護のために使える制度もいろいろある
「日本は介護を理由に仕事を休めることが法律で定められています。直属の上司には、日頃から家族の状況をなるべく伝えておくと、会社側も事前に対策を取りやすく、いざというときにスムーズに動くことができます」
<介護休業>
勤続1年以上の場合、対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割で取得できる。事前に書面等で申請。給与は会社の規定や条件によって給付金が支給される場合も。
<介護休暇>
対象家族1人につき年間5日まで取得可能(対象家族が2人以上いる場合は、10日まで)。1日または時間単位で取得可能。給与は会社の規定によるが、無給の場合が多い。
<その他>
• 時短勤務 • フレックスタイム制 • 時差出勤 • 残業の免除 etc.
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初めて介護に直面すると、知らないことばかりで不安が募ります。でも、あらかじめおおまかな仕組みや使える制度を知っておくと、心の準備ができそうですね。何より大事なのは、ひとりで介護を抱え込まないこと! 借りられるものは猫の手でもなんでもどんどん借りて、介護疲れを予防しながら良きプロジェクトを組みましょう。
イラスト/髙栁浩太郎
文=高梨奈々

