「骨盤の横が痛い」原因はご存知ですか!対処法や考えられる病気を医師が解説!

「骨盤の横が痛い」原因はご存知ですか!対処法や考えられる病気を医師が解説!

骨盤の横が痛いのは、身体でどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

阿部 一也

監修医師:
阿部 一也(医師)

医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

骨盤の横が痛い症状で考えられる病気と対処法

骨盤は、下腹部と大腿部の間にある骨のことで、脊椎と足をつないでいます。骨盤は上半身の体重を支えたりバランスを保ったり、歩行をスムーズにする役割を担っています。また、膀胱や大腸の一部、男性では前立腺や精嚢、女性では子宮や腟、卵巣、卵管などの生殖器を守ることも重要な役目の一つです。

骨盤の横が痛い・左右両方痛い症状で考えられる原因と対処法

骨盤の横が両方とも痛い場合には、仙腸関節障害などの整形外科的な問題があるかもしれません。また、慢性便秘などの消化器系の問題、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科的な問題、間質性膀胱炎などの泌尿器系の問題も考えられます。
同じ姿勢をとると痛みが強くなる、歩くと痛くなるなど、特定の動きによって骨盤痛がひどくなる場合は、整形外科を受診しましょう。発熱や強い腹痛も伴う場合は、内科や婦人科、泌尿器科の受診をおすすめします。

骨盤の右横が痛い・片方だけ痛い症状で考えられる原因と治し方

骨盤の右横に痛みがある場合の原因には、仙腸関節痛や梨状筋症候群などが挙げられます。また、虫垂炎や回盲部炎の初期症状でも右下腹部に痛みが出現することがあります。
さらに、右の卵巣嚢胞の破裂やねじれ(捻転)、子宮内膜症、骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠(異所性妊娠)などでも骨盤の片側に痛みを生じえます。さらに、右の尿管結石も右骨盤痛の原因となります。
突然の激しい痛みや吐き気などの症状を伴う場合には、内科や婦人科を受診するようにしましょう。

骨盤の左横が痛い・片方だけ痛い症状で考えられる原因と対処法

骨盤の左横のみが痛い場合、仙腸関節痛や梨状筋症候群などの整形外科的な問題かもしれません。また、消化管が原因となっている可能性もあります。例えば、憩室炎や大腸炎などが痛みを引き起こします。特に大腸の一部であるS状結腸は骨盤の左側に位置している場合が多いので、炎症や便秘などがあると痛くなるケースもあるでしょう。
さらに、右側の際と同様に、婦人科系の問題もありえます。特に子宮内膜症では、S状結腸への癒着をきたし、痛みが出ることもあります。

骨盤の横を押すと痛い症状で考えられる原因と対処法

骨盤の横を押すと痛みがある際には、骨盤の骨に疲労骨折が生じていることも考えられます。また、虫垂炎や回盲部炎の初期段階で右下腹部に痛みがある場合、押すとさらに痛みが悪化するということが知られています。婦人科系では、卵巣嚢胞の破裂やねじれ(捻転)も骨盤の横を押すと、さらに痛みが強くなります。

生理中に骨盤の横が痛い症状で考えられる原因と対処法

生理中に骨盤内に痛みがある場合、いわゆる生理痛の症状が最も考えられるでしょう。しかし、子宮筋腫、子宮腺筋症や子宮内膜症などがあると生理痛が重くなることがあります。日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合、婦人科を受診することをおすすめします。

男性で骨盤の横が痛い症状で考えられる原因と対処法

男性に特有の骨盤の痛みの一つに、慢性非細菌性前立腺炎/慢性骨盤症候群 が挙げられます。この病気は、前立腺炎の一つです。骨盤部やお尻、そけい部の痛み、頻尿・残尿感・排尿困難感などの症状がみられます。尿に関係する症状がある場合には、泌尿器科を受診するとよいでしょう。

歩いているときに骨盤の横が痛い症状で考えられる原因と対処法

歩く時に骨盤の横、特に足の付け根に痛みを感じる際には、変形性股関節症が原因となることもあります。初めは立ち上がる、歩き出すときに症状がみられ、進行すると持続的に痛みを感じるようになります。徐々に強くなる骨盤の横の痛みがある際には、整形外科を受診しましょう。

ランニング中に骨盤の横が痛い症状で考えられる原因と対処法

ランニングなどの運動によって股関節に過度な負担がかかると、坐骨神経が圧迫や刺激を受け、骨盤痛の原因になることがあります。また、運動によって股関節や骨盤が損傷を受け、痛みが生じることもあります。 痛みが治らない場合には、一度運動を休み、整形外科での診察を受けましょう。

すぐに病院へ行くべき「骨盤の横が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

骨盤の横が痛くて腹痛や吐き気を伴う症状の場合は、内科・婦人科・泌尿器科へ

骨盤の横が痛い場合、整形外科的な疾患を想像する方が多いと思われます。しかし、内科(消化器内科)系、婦人科系や泌尿器科系の病気などでは吐き気を伴うほどの痛みや、嘔吐などがみられるケースもあります。放置しておくと危険です。早急に医療機関を受診するようにしてください。

病院受診・予防の目安となる「骨盤の横が痛い」症状のセルフチェック法

・骨盤の横が痛い以外に発熱がある場合
・吐き気や嘔吐がある場合
・足の痺れがある場合
これらの症状がある場合には、医療機関を受診しましょう。

配信元: Medical DOC

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