
今まで問題なく生活していた親が、入浴を面倒くさがる、買い物に出かけて間違ったものを買ってくる、「足腰が痛いから」と外出しなくなる…そんなときは、そろそろ介護サービスを使い始める時期かもしれません。介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんに、介護サービスの基本事項をレクチャーしてもらいました!

教えてくれたのは…
▷介護・暮らしジャーナリスト 太田差惠子さん
1993年より老親介護の現場を取材。『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(共著、KADOKAWA)など、著書多数。
https://www.ota-saeko.com/
介護で困ったときはまず地域包括支援センターへ
介護に至らなくても気になる事柄は気軽に相談を!市区町村には、介護サービスの窓口となる「地域包括支援センター」があります。「つまずくことが増えた、認知症を疑う言動があるなど、親に気になる行動があったときは連絡を。申請後、調査員の調査や医師の診断などにより介護が必要と認定(要介護認定)され、介護保険制度が適用に。介護サービスの利用料が1割負担、収入によっては2~3割負担で利用できるようになります」(太田さん)

介護保険サービスを利用できる「要介護認定」の区分
<要支援1>
日常生活の基本動作のほとんどを自分で行なえるが、家事や買い物などに支援が必要な状態。
<要支援2>
要支援1の状態と比べてわずかに能力が低下し、何かしらの支援が必要になる状態。
<要介護1>
立ち上がりや歩行などに不安定さが現われ、入浴やトイレなどに一部介助が必要になる状態。
<要介護2>
自力での立ち上がりや歩行、入浴やトイレ、衣服の着脱などに一部、または多くの介助が必要な状態。
<要介護3>
自力での立ち上がりや歩行、入浴やトイレ、衣服の着脱などに、全面的に介助が必要な状態。
<要介護4>
介護なしに日常生活を送ることが困難で、入浴、トイレ、衣服の着脱などに介助が必要な状態。
<要介護5>
日常生活のほとんどすべてにおいて、介助が必要な状態。
介護保険で受けられるサービス
【在宅の介護サービス】
<日常ケア>
「ホームヘルパー」(訪問介護員)が、入浴やトイレ、食事などの身体介護を行なう訪問介護や、看護師や介護職員による訪問入浴サービスもある。
<医療ケア>
看護師が血圧や脈拍、体温をチェックし、必要な点滴や注射などの処置を行なう。理学療法士などが訪問し、身体のリハビリをしてくれることも。
【通所・入居の介護サービス・施設】
<デイサービス、デイケア>
通って受けられるサービス。デイサービスは日常生活での介護や人との交流が目的。デイケアはリハビリや日常生活の自立支援が目的。
<ショートステイ>
主に2つあり、1つは「短期入所生活介護」で、食事や入浴など日常的な支援を受けながら、数日の宿泊が可能。2つ目は「短期入所療養介護」。医療サービスを受けて最長30日まで宿泊可能。
<公的施設>
「特別養護老人ホーム(特養)」は、要介護3以上で、常時介護が必要な人のための入居施設。公的サービスのため、月額5万~15万円と比較的手ごろな価格で利用できる。
<民間施設>
24時間体制で介護サービスを受けられる「介護付き有料老人ホーム」、介護が必要なときに外部の事業者と別途契約する「住宅型有料老人ホーム」がある。いずれも高額な場合が多い。
■親が介護サービスを嫌がったらどうする?
親が信頼している医師など第三者からの助言を伝えて
「親が『デイサービスに行きたがらない』『訪問介護の入浴介助を嫌がる』という話はよく聞きます。特に子どもが説得しようとするとよけいに拒否するケースも。そういう場合、親が信頼している医師や看護師、また大切に思っている孫など、第三者のメッセージとしてサービスの利用を促すと、案外受け入れてくれることもあります」

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何が利用できて、お金はどのくらいかかるのかわからず不安な方は、ぜひ一度、地域包括支援センターで相談してみてくださいね。
イラスト/髙栁浩太郎
文=高梨奈々

