毒親のもとで育った姉妹、ツキミさんとハナミさん。容姿を貶され虐待されていた姉・ツキミさんは、両親と絶縁し子どもを持たないと決めて結婚生活を送っています。
一方、妹・ハナミさんは婿を取って両親がいる実家で暮らしていました。
家業の跡取りを望む両親からの圧力により、半ば強制的に不妊治療を始めることになったハナミさん。人工授精を経て体外受精へと進みますが、なかなか良い結果にはつながりません。
さらに、跡取りを切望する父親は、裏でハナミさんのことを『子どもも産めない欠陥品』とけなしていました。心身を削られるような過酷な日々の中で、ハナミさんは限界を迎えつつあったのです。
そんな中、ハナミさんは実母から、ツキミさんが「子どもを持たないDINKs(※)」だと知らされます。実母は、ツキミさんの選択を、不妊治療中のハナミさんへの当てつけだと言いました。
その言葉を信じ込んでしまったハナミさんは、嫉妬と怒りを抑えきれなくなります。そして、誕生日のお祝いにとツキミさんからかかってきた電話口で、“産まない選択”をしたのは自分への当てつけだと、感情のままにぶつけてしまいました。
しかし心のどこかでは、それが八つ当たりだとわかっていたのです。
※Double Income No Kidsの略で、『子どもを持たない選択をしている共働き夫婦』を意味します
自分を責めた結果…











ツキミさんを傷つけてしまった罪悪感から「すべて終わりだ」と涙するハナミさん。異変を察した咲也さんが部屋へ踏み込むと、そこには腕に刃物を当てるハナミさんの衝撃的な姿がありました。
暴れるハナミさんを抑え、包丁を引き離そうとする咲也さん。しかし、ハナミさんは「私に生きてる価値なんてない」と取り乱します。
そんなハナミさんの姿に、咲也さんはハナミさんが心の病を患っていることを確信しますが、「今言ったら心が完全に壊れてしまう」と恐怖し、言葉を飲み込んで必死に寄り添おうとするのでした。
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不妊治療は、治療を受ける本人の体だけでなく、心にも大きな負担がかかります。結果が出ない焦りや周囲からの圧力が重なれば、自分でも気付かないうちに追い詰められてしまうこともあるでしょう。
そんなとき、夫にできるのは「頑張れ」と励ますことだけではありません。妻のつらさを否定せずに聞くこと、治療の結果だけでなく心身の状態に目を向けること、必要であれば親族との間に立って守ることも、大切な支えになります。
不妊治療は、夫婦で向き合うもの。だからこそ、どちらか一方だけが苦しみを抱え込まないよう、限界のサインに気づき、支え合う姿勢を忘れずにいたいですね。
そして、もし自分を傷つけてしまいそうなほど追い詰められたときは、決してひとりで抱え込まず、医療機関や専門の相談窓口を頼ることも必要です。
通院している不妊治療クリニックや産婦人科に相談するほか、心の不調が強い場合は、心療内科のような心の不調を相談できる医療機関につながることも選択肢のひとつです。
また、自治体によっては、悩みを相談できる「不妊専門相談センター」などの窓口が設けられています。周囲や専門機関の力を借りながら、心と体を守ることを何より大切にしたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 尾持トモ

