自律神経失調症はさまざまな症状があらわれるため、医療機関に行こうとしても何科を受診すればよいか迷うことがあるでしょう。
ストレスなどが原因で自律神経が乱れると、身体や精神に不調を感じることがあります。しかし、深刻に受け止めない方もいるかもしれません。
単なる睡眠不足や疲れと考え放置すると、症状が悪化することもあります。この記事では、検査や治療法について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「自律神経失調症は何科」を受診すればよいかご存知ですか?【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
自律神経失調症の検査や治療法

自律神経失調症が疑われる場合、どのような検査を行いますか?
自律神経失調症が疑われる場合は、まず初めに臓器や器官など身体について異常がないかを検査をします。自律神経機能を調べる検査は以下のようにありますが、検査時間がかかり治療的な意義が少ないため行われるケースは少ないでしょう。ヘッドアップティルト試験
シェロング起立試験(体位変換試験)
眼球圧迫試験
バルサルバ呼吸試験
頸動脈圧迫試験
寒冷昇圧試験
自律神経失調症は、検査結果だけで確定診断できません。診断には、身体的異常や精神疾患がないことの確認が重要です。そのため、自律神経失調症の確定診断には特別な検査は行われず、主に身体的な異常の有無を確認します。
自律神経失調症の診断基準を教えてください。
自律神経は全身のさまざまな臓器や器官と関係しているため、症状はひとつだけでなくいくつもの症状が重なることがよくあります。また、症状は個人差があり体質などによっても異なるため、その方の弱い部分にあらわれやすい傾向です。例えば、お腹の弱い体質の方なら下痢や腹痛などの症状があったり、肩がこりやすい方にはひどい肩こりの症状があったりします。しかし、自覚症状が辛く検査結果からは症状の重さの説明ができないときもあり、このようなときは自律神経失調症の可能性を考えます。さらに、身体の不調を治療しても症状の改善が見られない場合も、自律神経失調症が疑われるでしょう。
自律神経失調症の治療方法を教えてください。
自律神経失調症の治療は、まず症状に合わせた薬を処方します。これは対処療法という症状を抑えるための方法です。例えば、不眠には睡眠薬を処方し痛みには鎮痛剤などを処方するほか、自律神経調整薬や漢方薬を処方することもよくあります。対処療法で症状が改善できれば、身体的なストレスが軽減することで治療効果が上がると期待されているのです。また、精神療法を行うこともあります。自律神経の乱れの原因となるストレスに対して、抗うつ剤や抗不安薬を処方し精神的な症状の改善を行うためです。
自律神経失調症が治るまでの期間はどのくらいですか?
自律神経失調症が治るまでの治療期間は、患者さんの発症要因によっても異なるため個人差があります。患者さん一人ひとりに合わせた薬の治療方法を行います。即効性のある薬なら治療期間は短くなりますが、依存症や副作用の少ない薬なら治療期間は長くなる傾向です。また、自律神経のバランスが乱れてしまった原因や、環境要因と本人要因にも目を向けて患者さんに合わせたアプローチが重要です。患者さん自身も原因に向き合わなければ、症状を繰り返す可能性があります。
編集部まとめ

自律神経失調症は、なんとなくいつもと違う症状が続くと感じたら、早めにかかりつけの医師に相談すれば治せる病気です。
ストレスは誰でも感じるものなので、発散させることでうまく付き合うようにしましょう。生活習慣も見直しながら、家族や職場の方に理解してもらうことでストレスを軽減することもできます。
自律神経失調症を疑い何科を受診するか迷ったら、心療内科や精神科で相談しましょう。また、辛い症状に合わせて診療科を選ぶこともおすすめします。
違和感を覚える症状があっても放置して悪化したために、ほかの関連する病気に罹患してしまうことがあるため注意しましょう。
また、症状が軽くなったり悪化したりを繰り返すことがあるため、治療期間は長くなる傾向がありますので定期的に通院することをおすすめします。
参考文献
わかりやすい病気のはなしシリーズ19 自律神経失調症
- 「自律神経失調症とうつ病の違い」はご存知ですか?それぞれの原因も解説!【医師監修】
──────────── - どんな食べ物を咀嚼すると「セロトニンの分泌」が増えやすい?医師が徹底解説!
──────────── - 「自律神経の機能検査」で何が分かる?検査の種類や発見できる病気を医師が解説!
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