睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、糖尿病とも深い関わりがあることをご存じでしょうか? 研究によると、また、SASは肥満だけでなく、顎の形状や舌の位置などによっても発症し、日本人にも多い病気です。SASと糖尿病の関係について、「上福岡くろだ内科クリニック」の黒田先生にお聞きしました。
編集部
睡眠時無呼吸症候群は、糖尿病とも深い関係があると聞きました。
黒田先生
最近の研究によると、「睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、正常な人に比べて糖尿病になるリスクが1.62倍も高い」ことがわかっています。また、睡眠時無呼吸症候群の重症度が高ければ高いほど、糖尿病を発症する可能性が高くなることも判明しています。
編集部
なぜ、睡眠時無呼吸症候群だと糖尿病になりやすいのでしょうか?
黒田先生
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が止まってしまうため、睡眠中に何度も目が覚めたり、息苦しい感覚になったりして、体に強いストレスがかかります。そうすると、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが低下し、結果的に糖尿病になりやすくなると言われています。
編集部
そもそも、睡眠時無呼吸症候群はどのような原因で起こるのですか?
黒田先生
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に鼻から喉にかけての気道が塞がれてしまうことが原因とされています。気道が塞がってしまう要因としては、肥満によって気道の周辺に脂肪がつき過ぎていることが挙げられます。ほかにも、扁桃・アデノイドが肥大していたり、上気道へ舌が落ち込んでしまったりすることも関係しています。とくに日本人やアジア人は、肥満ではなくとも、睡眠時無呼吸症候群を発症している人が多い傾向にあります。
編集部
どういった理由があるのでしょうか?
黒田先生
下顎が後退して、小さくなってしまったのが理由とされています。そのため、横たわった時に舌の入るスペースがなくなり、奥へ追いやられて上気道を塞いでしまうのです。実際、とてもスリムな体型でも睡眠時無呼吸症候群を発症している人は少なくありませんし、そういう人は糖尿病のリスクが高くなります。とくに女性は顎が小さい人が多いので、気をつけていただきたいですね。

監修医師:
黒田 直孝(上福岡くろだ内科クリニック)
東京医科大学医学部卒業後、東京医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科に所属。昭島病院、仁和会総合病院糖尿病専門外来、医療法人みなとみらいなどで経験を積む。2020年、埼玉県ふじみ野市に「上福岡くろだ内科クリニック」を開院。専門分野である糖尿病や睡眠時無呼吸症候群をはじめ、大学病院や総合病院に近い検査を院内で実施し、一人ひとりに合った最善の治療を常に追求している。日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定内科医。日本内分泌学会、日本睡眠学会、日本禁煙学会、日本甲状腺学会の各会員。
※この記事はメディカルドックにて<「睡眠時無呼吸症候群になると糖尿病にかかりやすくなる」と言われているけど、どうしてなの?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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