メディカルドック監修医がパーキンソン病の原因・なりやすい人などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「パーキンソン病の平均寿命」はどれくらい?末期症状についても医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
神宮 隆臣(医師)
熊本大学医学部卒業。熊本赤十字病院脳神経内科医員、熊本大学病院脳神経内科特任助教などを歴任後、2023年より済生会熊本病院脳神経内科医長。脳卒中診療を中心とした神経救急疾患をメインに診療。脳神経内科疾患の正しい理解を広げるべく活動中。診療科目は脳神経内科、整形外科、一般内科。日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳血管内治療学会専門医、臨床研修指導医の資格を有す
「パーキンソン病」とは?
パーキンソン病とは、脳の中で中脳黒質という、運動機能に関わる部分の障害で発症します。手足が震える、手足が動かしにくい、歩き方が変などといった症状で気づかれて、発症します。だんだん進行する病気であり、完全に進行を止めたり、病気を治癒させたりする方法はまだありません。今回は、そのようなパーキンソン病のお話です。
パーキンソン病の主な原因
残念ながらパーキンソン病の正確な原因はわかっていません。遺伝的要因と環境因子などの色々な因子が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
遺伝
パーキンソン病の中には遺伝するものが知られています。家族性パーキンソン病と言い、血の繋がった血縁者に多く発症します。若くして発症することが多いとされています。近年の技術の進歩によりたくさんの原因となる遺伝子が特定されています。もし、血縁者にたくさんパーキンソン病の方がいる場合は、家族性パーキンソン病の可能性があります。脳神経内科を受診し、ご相談ください。
また、遺伝しないタイプのパーキンソン病の発症にも、病気になりやすさを決めるいくつかの遺伝子群が関わっています。しかし、遺伝子のみならず、次の項で述べる、環境因子と複雑に絡み合ってパーキンソン病は発症すると言われています。
腸内環境
さまざま身の回りの環境がパーキンソン病の発症に関わっていることが分かっています。その代表をご紹介します。有機溶剤を中心とした農薬や殺虫剤や鉛や銅などの金属に接する人はパーキンソン病を発症しやすいです。食事では不飽和脂肪酸をよく摂取していると発症しやすく、頭部の怪我や脳損傷も関連しています。
以上、代表的なものを示しました。避けられる場合は避けて生活するのが良いでしょう。

