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『脂肪肝』の悪化は“あの習慣”?数値を下げる具体策と進行のリスク【医師監修】

『脂肪肝』の悪化は“あの習慣”?数値を下げる具体策と進行のリスク【医師監修】

飲酒習慣がある方にとって、γ-GTPの上昇はとても身近な問題です。アルコールは肝細胞にダメージを与えやすく、γ-GTPはその影響を受けやすい酵素として知られています。このセクションでは、アルコールが肝臓に与えるダメージの仕組みと、節酒・禁酒を無理なく続けるための実践的な考え方をご紹介します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

γ-GTPと脂肪肝の深い関係

γ-GTPの数値が高い背景には、アルコールだけでなく「脂肪肝」が関係しているケースが少なくありません。とくに近年は、飲酒習慣がない方でも脂肪肝を指摘されるケースが増えており、生活習慣との関係が強く注目されています。

γ-GTPの改善を目指すうえでは、単に数値だけを見るのではなく、その背景にある肝臓の状態を理解することが重要です。脂肪肝との関係を知ることで、より本質的な対策につながります。

脂肪肝とはどのような状態?

脂肪肝とは、肝臓の細胞に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。一般的には、肝細胞の5%以上に脂肪が蓄積している場合に脂肪肝と診断されます。

原因によって大きく2つに分類され、アルコールの過剰摂取による「アルコール性脂肪肝」と、飲酒習慣がほとんどないにもかかわらず発症する「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」があります。

特にNAFLDは、過食・運動不足・肥満・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣と密接に関係しており、いわゆる“肝臓の生活習慣病”ともいえる状態です。自覚症状がほとんどないまま進行するため、健康診断やエコー検査で初めて気づくケースが多いのも特徴です。

脂肪肝の状態では肝細胞に負担がかかりやすく、炎症や機能低下を引き起こしやすくなるため、γ-GTPをはじめとした肝機能指標が上昇しやすくなります。

脂肪肝がγ-GTPを上昇させるメカニズム

脂肪肝では、肝細胞内に蓄積した脂肪が酸化ストレスを引き起こし、細胞レベルでの炎症反応が生じやすくなります。この過程で細胞膜がダメージを受け、肝臓内にある酵素が血液中へ漏れ出します。そのひとつがγ-GTPです。

アルコール性脂肪肝では、アルコール代謝の影響も加わるためγ-GTPが特に上昇しやすくなります。一方で、NAFLDではALT(GPT)が優位に上昇する傾向もありますが、進行するとγ-GTPも上昇してくるケースが少なくありません。

重要なのは、脂肪肝という状態が続いている限り、γ-GTPだけを一時的に下げても根本的な改善にはつながらないという点です。つまり、脂肪肝の改善そのものが、γ-GTPの安定化に直結するという関係にあります。

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)とγ-GTPの改善策

NAFLDは、アルコールを飲まない方でも発症する脂肪肝であり、現代において非常に患者数が多い疾患です。生活習慣との関係が強いため、適切な対策を知ることが改善の鍵となります。

NAFLDの診断と進行のリスク

NAFLDはさらに、「単純性脂肪肝」と「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」に分類されます。単純性脂肪肝は比較的軽度で、生活習慣の改善によって回復が期待できる段階です。

一方、NASHは脂肪の蓄積に加えて炎症や線維化が進行する状態であり、放置すると肝硬変や肝がんへ進展するリスクがあります。このため、早期の段階で介入することが非常に重要とされています。

日本では成人の約20〜30%がNAFLDを有するとされ、その中の一部がNASHへ進行する可能性があります。特に肥満、2型糖尿病、脂質異常症を併せ持つ方はリスクが高い傾向にあります。

γ-GTPが高い状態が続いている場合、とくに飲酒習慣が少ないにもかかわらず数値が改善しない場合は、NAFLDの可能性を考慮して専門医の診察を受けることが重要です。

NAFLDに対する生活習慣改善の具体策

NAFLDの改善において最も効果が期待できるのは、生活習慣の見直しです。特に体重管理は重要で、体重の5〜10%の減少が肝臓内の脂肪を減らし、γ-GTPを含む肝機能の改善につながるとされています。

食事面では、総カロリーの適正化に加え、果糖を多く含む飲料や加工食品の摂取を控えることが重要です。また、食物繊維を多く含む野菜や全粒穀物を積極的に取り入れることで、脂質代謝の改善が期待できます。

運動については、有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)に加え、筋力トレーニングを組み合わせることで、脂肪の燃焼効率が高まりやすくなります。週に150分程度の中等度の運動を目安に、継続できる形で取り入れることが推奨されています。

生活習慣の改善は一時的な取り組みではなく、継続が重要です。自己流で難しい場合は、医師や管理栄養士のサポートを受けながら進めることも有効です。

まとめ

γ-GTPは、肝臓のコンディションを知るための大切なバロメーターです。飲み物の選択・サプリメントの活用・脂肪肝への対策を組み合わせることで、数値の改善が期待できます。大切なのは、一つの対策に偏らず、食事・運動・飲み物・休養をバランスよく見直すことです。数値の異常が続く場合や気になる症状がある場合は、消化器内科や内科への相談をためらわずに検討してください。まず今日できる一歩として、飲み物の見直しや生活習慣の点検から始めてみることをおすすめします。

参考文献

日本消化器病学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020」

国立研究開発法人 国立がん研究センター「がん種別統計情報 肝臓」

厚生労働省「アルコール健康障害対策推進基本計画」

配信元: Medical DOC

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