前立腺がんリスクを“下げる方法”とは―見直すべき『3つのリスク要因』

前立腺がんリスクを“下げる方法”とは―見直すべき『3つのリスク要因』

年齢や遺伝と異なり、食事内容や運動習慣・体重管理は、自分自身で見直せるリスク因子です。食の欧米化が進む現代において、動物性脂肪の過剰摂取や運動不足・肥満が前立腺がんのリスクに関係する可能性があると報告されています。日常生活を振り返ることで、今日からできるリスク管理の第一歩を踏み出せます。

村上 知彦

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

前立腺がんになりやすい人の特徴:生活習慣・食事・肥満

年齢や遺伝といった変えられない要因とは異なり、生活習慣や食事内容は自分自身で見直すことができるリスク因子です。このセクションでは、前立腺がんと生活習慣・食事・肥満の関係について解説します。日常生活を振り返るきっかけとして役立ててください。

食事内容と前立腺がんのリスク

食事内容と前立腺がんのリスクの関係については、複数の研究で検討されています。動物性脂肪(牛肉や加工肉など)を多く摂取する食生活が、前立腺がんのリスクに関連する可能性があることが指摘されています。一方で、野菜や果物、大豆製品を多く含む食事はリスクを下げる方向に働く可能性があるとする報告もあります。

日本では伝統的に大豆製品(豆腐、味噌、納豆など)を多く摂取する食文化がありましたが、近年の食の欧米化に伴い、動物性脂肪の摂取量が増えている傾向があります。欧米諸国と比べて日本における前立腺がんの罹患率は以前は低かったものの、現在は増加傾向にあるとされており、こうした食生活の変化が背景のひとつとして考えられています。

特定の食品だけで前立腺がんを予防できるとは言い切れませんが、バランスのとれた食事を心がけることは全身の健康維持にとっても重要です。野菜・大豆製品・魚を積極的に取り入れつつ、赤肉や高脂肪食の摂取を抑えた食事スタイルが、長期的な健康管理において一つの指針となります。

肥満・運動不足と前立腺がんの関係

肥満(特に内臓脂肪型肥満)はさまざまながんのリスクと関連していることが報告されており、前立腺がんも例外ではありません。肥満状態では男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが変化することや、慢性的な炎症状態が生じることなどが、がんの発生に影響する可能性があると考えられています。

運動習慣については、定期的な身体活動が前立腺がんのリスク低下に関連するとする報告があります。週に数回の有酸素運動(ウォーキング、水泳、自転車など)を継続することは、体重管理とともにホルモンバランスの維持にも役立つとされています。

また、肥満はPSA値にも影響することが知られており、肥満の方の場合、血液量が多いことでPSA値が見かけ上、わずかに低く出ることがあると指摘されています。そのため、数値が基準値内であっても安心せず、定期的な検査を継続することが推奨されます。 日常的に適度な運動を取り入れ、適正体重を維持することは、前立腺がんのリスク管理という観点からも意味があると言えるでしょう。生活習慣の見直しは、今日からでも始められる健康管理の一歩です。

まとめ

前立腺がんは早期発見によって治療の選択肢が広がり、生活の質を保ちながら治療を進めやすくなる疾患のひとつです。排尿の変化や腰痛など気になる症状がある場合は、ためらわずに泌尿器科や内科などに相談することが大切です。また、50歳以上の男性の方(家族歴がある場合は40〜45歳から)は、定期的なPSA検査を検討することが勧められます。治療費については高額療養費制度などを活用しながら、医師・医療スタッフとともに治療方針を考えていくことが、前立腺がんと向き合うための第一歩となります。

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス「前立腺がん」

日本泌尿器科学会「前立腺癌診療ガイドライン」

日本癌治療学会 がん診療ガイドライン「前立腺がん」

配信元: Medical DOC

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