
水上恒司が主演を務めるドラマプレミア23「シナントロープ」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系)の第1話が、放送終了後よりTVerにて配信を開始。これを記念して、第1話の現場リポートと水上&山田杏奈からのコメントが発表された。
■「シナントロープ」概要&第1話あらすじ
本作は、マンガ「セトウツミ」やアニメ「オッドタクシー」などの此元和津也が書き下ろしたオリジナルストーリーで、テンポのよい会話劇と繰り返し見たくなるほど張り巡らされた伏線、そして主演の水上をはじめ、共演の山田、坂東龍汰、影山優佳らキャスト陣の演技力が掛け合わさった男女8人の青春群像ミステリー。
舞台は、街の小さなバーガーショップ・“シナントロープ”。そこで働く8人の若者たちの中で、大学生の都成剣之介(水上)は、バイトの同僚・水町ことみ(山田)に、密かに思いを寄せていた。そんなある日、シナントロープで不可解な強盗事件が発生。静かだった日常は、少しずつ歪みはじめる。恋愛と友情、絆と裏切り、運命と選択ーー揺らぎ出した関係と感情が、次々と事件を引き寄せていく。何が本当で、何がウソなのか。そして、都成の思いの先に待つのは、恋か、それとも。複雑に絡み合う人間模様を描く。
■「シナントロープ」第1話現場リポート(一部ネタバレあり)
ドラマの舞台となるバーガーショップ・シナントロープでの撮影2日目。この日は、店員の都成と木場幹太(坂東)が、突然やって来た目出し帽の客に怯えるが、水町が気にすることなく注文を受け付ける。その後、店内に目出し帽をかぶった別の強盗(アフロ)がやって来て…という冒頭のシーンを撮っていた。
バーガーショップ・シナントロープは、セットではなく、現存する空き店舗を使用している。緑と赤を基調とした広々とした空間を活かしつつ、本編に度々登場する鳥の名前にちなみ、鳥モチーフのアイテムが随所にちりばめられていた。
キャストの休憩所(楽屋)やスタッフの待機場所、監督が映像をチェックするモニターも店内に設置されていて、キャストたちはスタッフとともに丁寧に物語を作っていく。特に印象的だったのが、目出し帽の男に怯えない水町に、都成と木場が戸惑うシーン。リハーサルを重ねるごとに異なる動きを加える水上に対し、受け手の坂東や山田が柔軟に対応していく。演者たちの阿吽の呼吸で生み出される演技によって、会話劇が重要となる此元和津也脚本のドラマが形成されていると感じられた場面だった。
そして本日の目玉である、SNSでも話題となった強盗とのアクションシーンの撮影が始まる。数分間のシーンではあるが、79カットで構成されていて、山岸聖太監督とスタッフたちが1時間以上かけて念入りに打ち合わせをしたあと、キャストたちにも段取りを共有していく。
ストーリーとしては、目出し帽の強盗がレジの志沢匠(萩原護)に拳銃を突きつけ、それを止めようと水町が強盗に飛びつくが投げ飛ばされてしまう。続いて都成が加勢。羽交い締めにするも反対に押し倒されてしまった。その後も都成と水町は必死に強盗に立ち向かい、強盗の隙をついて、水町が里見奈々(影山優佳)から受け取った洗剤を男にかけて撃退する…というもの。
この日はすでに長時間の撮影をしていたが、このアクションシーンは物語のはじまりとなる大事なシーンとあって、現場にはより一層の緊張感が漂い、チーム全体が1カット1カットを大切に集中している様子がひしひしと伝わってきた。この緊張感あふれるシーンにどのように挑んだのか、水上&山田のコメントも発表された。
■水上恒司&山田杏奈 コメント
ーー第1話のアクションシーンはどうでしたか?
水上:その日は朝からずっと撮影をしていて、あのアクションシーンは「鬼の79カット」と告げられて…。
山田:撮影が始まった時には遅い時間帯でしたね。
水上:まさに「しびれる」という言葉が似合う撮影でした。また強盗役のアフロさんを押さえ込もうとしても、力が強くて「全然動かない!」みたいな。とにかく頑張ったシーンなので、我々の魂の79カットをぜひTVerでご覧ください!
山田:洗剤のシーンは失敗したら衣装や目出し帽などをこの遅い時間にまるごと変えなきゃいけない、というプレッシャーと戦いながら演じました。でも洗剤が思ったよりもあまり飛ばなくて、洗剤を変えていただいたんです。「都成にもかけたい」とか「強盗の目に洗剤をかけたい」とか、いろいろとやりたいこともあったので、2回目も挑戦させていただきました。
水上:魂の2回戦。どちらが使われたのかは我々にはわからない。
山田:そうですね。
水上&山田:ぜひTVerでご覧ください。
水上や山田たちが気合を入れて臨んだアクションはもちろん、気になる伏線、巧みな会話劇など、視聴者を惹きつける魅力的な要素が満載の「シナントロープ」第1話は、現在TVerで配信中だ。
さらに今後の展開も気になる「シナントロープ」を楽しむためのポイントを語る、テレビ東京・前田知樹プロデューサーのコメントも届いた。
■前田知樹プロデューサー(テレビ東京)コメント
ーー脚本を読んで、シーンとシーンを同じ台詞がつないでいったりと「オッドタクシー」同様に会話劇を楽しめる作品となっていると思いました。
初めて此元さんの脚本を拝読した際、いち読者の目線でとても楽しんでしまいました。脚本の段階でこれは間違いなく面白い!と確信できる、そんな稀有な作品でした。
起承転結がはっきりとした典型的な日本のドラマとは全く異なり、先の展開が全く読めない。青春群像劇でありサスペンスであり恋愛物語でありヒューマンドラマでもあり、ファンタジーでもあるような。「一体何が起こっているのか?」と展開を追いかけているうちに、いつの間にか”シナントロープ“の世界に引きずり込まれていく。そんな不思議な魅力を放つお話だと思います。
シーン同士の繋がりなどの細かいギミックも見どころではあるのですが、何よりキャラクターが非常に魅力的です。此元さんの脚本に実力派キャストの皆さんの力が加わり、唯一無二の世界が構築されていると思います。そんな登場人物たちの、何度も見返したくなるような笑いとスリルが散りばめられた会話劇が、この作品の最大の魅力です。
ーー会話だけではなく、いくつも張られた伏線も見どころだと思いますがそのあたりはどうでしょうか?
何気ない会話、気にも留めない行動、そんな一つひとつが後々のストーリーに大きな影響を与えていき、物語は予想もつかない方向へと進んで行きます。話数が進むごとに謎が謎を呼ぶ目の離せない展開が待っていますので、ぜひ感想を発信するなど考察を存分に楽しんでいただきながら、“シナントロープ”の世界にどっぷり浸かっていただけるとうれしいです!

