
鈴木京香が主演を務めるドラマ「未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系・TVer/TELASAで配信)の最終回となる第9話が6月11日(木)に放送される。
このたびWEBザテレビジョンでは、最終回の放送を前に、同作で脚本を担当する大森美香氏にインタビューを実施。脚本のこだわりやキャラクターの魅力を語ってもらった。
■「もう一度そのキャラクターたちに会えるのはうれしいこと」
ーー今回、Season3が制作されると聞いたときはいかがでしたか?
実は、私にとってシリーズものは「未解決の女」が初めてだったので、本当にうれしかったです。
どの作品においてもいつも自分なりに愛情を込めてキャラクターを作っていますが、大体3カ月が経つと消えていってしまうことが多いなかで、もう一度そのキャラクターたちに会えるのはうれしいことです。鳴海理沙さんをまた描けるんだ!と思いました。
ーー大森さんの元にはどのような反響が届いていらっしゃいますか?
「未解決の女」シリーズは、幅広い方に見ていただけている気がしています。
Season1やSeason2の頃は小学生の方から「すごく楽しみに見ている」と言っていただけたり、「親子で見ている」と言っていただけたり、私よりも年齢が上の方からもリアクションをいただけたりと、さまざまな方に楽しんでもらえている実感があり、とてもうれしかったことを覚えています。
(夏目征也役の)宮世(琉弥)さんも「僕が子どもの頃に見ていた」と言っていたので、そんな方がSeason3で新たなキャラクターとして入られるのもまた、シリーズものならではの面白い化学反応だなと思っています。
■思い切って3話の中に2つのエピソードを入れようと決意
ーー今シーズンは、第1話から第3話までが繋がっている形でしたが、その点での脚本のこだわりはあったのでしょうか?
本当のことを言うと、最初は第1話のエピソードを1話の中に全部入れてしまいたいと考えていました。
ただ、波瑠さん演じる矢代朋さんに出ていただくことが私たちの願いとして一つありまして。波瑠さんに出演していただけるのであれば、じっくり描こうと。そして、感情が繋がるように書きたいと思いました。
第1話・第2話と、第2話・第3話の題材は両方とも麻見(和史)先生の原作からのエピソードだったのですが、2つ目に扱った“琥珀の闇”のお話も1話では足りない複雑なトリックだったので、思い切って3話の中に2つのエピソードを入れる決心をしました。
Season3からの新しいキャラクターと、前のシーズンにいてくれた矢代さんをどういう風に皆さんに見ていただくかを一生懸命描こうと思うと、3話にまたがってしまいました。
ーーサプライズでの波瑠さんの出演解禁の際は、盛り上がりや反響も大きいように感じました。
私も見ていて「おぉ!」とうれしい気持ちになったので、見てくださる方もそうだったらとてもうれしいなと思います。
■「もしかしたら上司で入るのが面白いのではないか」キャラクターの誕生秘話も
ーー新キャストが加入し、また作品の色が変わったかと思います。Season3においては、脚本の作り方で意識したことはあったのでしょうか?
元々いらっしゃる理沙さんや(沢村一樹演じる)古賀室長、(遠藤憲一演じる)草加さん、(山内圭哉演じる)桑部さん、(皆川猿時演じる)宗像さんなどのキャラクターはなるべくそのまま皆さんに楽しんでいただきながら、どういう方が入ったら化学反応として面白いかなと考え、新しいキャラクターを作っていきました。
矢代さんは体当たりで向かっていくタイプの刑事でしたが、新シリーズでは彼女と同じことをするのではなく、(黒島結菜演じる陸奥)日名子さんと夏目くんが入ったときに今までになかった動きが見えるとうれしいと思っていました。
それで、「もしかしたら上司で入るのが面白いのではないか」と考えたんですよね。夏目くんに関しても、熱血刑事の矢代さんとは違って、草加さんがどんなに厳しく言ってもめげない、ニュータイプの方がいたら良いのではないかと思って作りました。
第1話・第2話を見ていく中で、黒島さんも宮世さんも自然に馴染んでくださっていると感じて、古賀室長を含めた5人の関係性がどんどん楽しく見えてくれたらいいなと考えていました。
ーー草加さんの言葉に怯まない夏目くんと、チャーミングな上司の日名子さんという、フレッシュさもありつつ面白いバランスだと感じました。
草加さんが日名子さんに敬語を使う感じも、ぜひやってみたいと思っていたんです。
理沙さんは上司と言えどもちゃんと厳しい目で日名子さんを見ている面がある一方で、草加さんは日名子さんを上司として認めているんですよね。「良い上司が来た」と思って頑張っている草加さんを見てもらいたいなと思いながら書いていました。
また、シーズン当初よりも現在は女性刑事という存在が特別ではなくなった気がして、強行犯係で優秀に働いている(武田玲奈演じる)越坂部さんを新キャラクターに加えました。
■最終回にも“お気に入りのせりふ”が「これかな?と思いながら見ていただけると」
ーー今シリーズが大森さんにとって初のシリーズものというお話がありましたが、「未解決の女」ならではの脚本のこだわりはありますか?
未解決だった事件を扱うので、当事者にとってはどうしても辛いお話であることが多くて。それに関わる刑事たちも、辛い気持ちの中に入っていき、毎回きちんと弔っていかなくてはいけない中で、少しでも明るさを入れていきたいという思いがあります。
日常の会話から生まれるちょっとした楽しさを、毎回どこかに入れたいなというのは心掛けています。クスッと笑えるレギュラーキャストの人間関係など、そういったところも楽しみに見ていただけるように…というのは、一つのこだわりかもしれません。
ーーこれまでの放送回で、特に気に入っている場面やせりふはありますか?
第6話の誘拐の回で、誘拐犯・四屋(上川周作)と誘拐された少女・菫(永尾柚乃)とのやり取りは、書いていたときよりもお二人が演じてくださったのを見て、好きだなと感じました。
四屋が「俺も、人生変われるかな」とこぼすところがあったのですが、そこが特に見ていてすてきだなと思いましたね。
パッと浮かんだところをあげましたが、今シーズンはそういった瞬間がたくさんありました。オンライン読書会での事件を扱った第5話の井桁弘恵さんもとてもすてきで。
最後の取調室での「なんで警察は本当の犯人を見つけてくれなかったの?」というせりふは、中でも心に残っています。ほとんどの未解決事件はそこに集約するところがあるよね…と思いながら見ていました。
第3話の必死に穴を掘る(伊野尾慧演じる)元村さんや、それを抱きしめる(ベンガル演じる)千秋のおじいさん、第8話の「玲子なんて関係ない」という(淵上泰史演じる)柿田のせりふや、それを聞いている(山崎紘菜演じる)玲子さんの涙も好きです。
あと第1、2話の日名子さんを矢代さんが救うシーン、鳴海さんと朋ちゃんの久しぶりの会話には胸が熱くなりました。
そして、最終回の中にも、理沙さんと日名子さんのシーンで好きなせりふがあるので、「これかな?」と思いながら見ていただけるとうれしいです。あと、理沙さんと古賀さんのやり取りにも好きな部分があるんです。そこも注目して、ぜひ探しながら見てください。

