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「味噌汁」の塩分は“高血圧”の原因?血圧を下げる方法と2つの具材【医師監修】

「味噌汁」の塩分は“高血圧”の原因?血圧を下げる方法と2つの具材【医師監修】

塩分が血圧に影響を与えることは広く知られていますが、すべての方が同じように反応するわけではありません。「食塩感受性」という個人差の概念や、カリウムが塩分の影響を和らげる可能性についても触れながら、味噌汁と血圧・循環器疾患の関係を丁寧に整理します。日々の食事設計に役立てていただける内容をお届けします。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

味噌汁の塩分と高血圧・循環器疾患の関係を正しく理解する

このセクションでは、塩分と高血圧・循環器疾患の関係について、より詳しく掘り下げます。「塩分が高血圧を引き起こす」という図式は広く知られていますが、味噌汁という食品を通じてその関係を正確に把握することが求められます。

塩分と高血圧のメカニズム

塩分(ナトリウム)を過剰に摂取すると、身体は血液中のナトリウム濃度を一定に保つために水分を保持しようとします。その結果、血液量が増加し、心臓が送り出す血液の量と圧力が高まります。これが血圧上昇のメカニズムのひとつです。高血圧が長期にわたって続くと、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まることが知られています。

ただし、すべての方が同じように塩分に反応するわけではありません。「食塩感受性」という概念があり、ナトリウムの摂取量の変化に対して血圧が敏感に反応する方と、そうでない方がいます。遺伝的要因や腎機能、年齢によってこの感受性は異なります。したがって、同じ量の塩分を摂取しても、血圧への影響は個人差があるという点を理解しておくことが大切です。

味噌汁の摂取と血圧上昇の関係を示すデータ

「味噌汁を毎日飲むと血圧が上がる」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際の研究では必ずしもそのような結果が一貫して示されているわけではありません。ある研究では、同程度の塩分量であっても、塩化ナトリウム(食卓塩)と味噌では血圧への影響が異なる可能性が示されています。

これは、味噌に含まれるGABA(ガンマアミノ酪酸)や大豆ペプチドが血圧に対して中和的な作用を示す可能性があるためと考えられています。GABAは神経の興奮を抑制する作用を持つアミノ酸の一種であり、一部の発酵食品に多く含まれていることが知られています。ただし、これらの知見はすべての状況に当てはまるわけではなく、高血圧の治療においては必ず医師の指示に従うことが必要です。

カリウムの摂取が塩分の影響を和らげる

味噌汁の具材として豆腐・ほうれん草・じゃがいもなどを使うことは、カリウムの摂取量を増やすうえで効果的です。カリウムはナトリウムの排泄を促進する働きを持ち、血圧の調節に関与するミネラルです。塩分を摂取しても、カリウムを同時に摂ることでその影響を一定程度緩和できる可能性があります。

日本人の食事摂取基準では、成人のカリウム目標量を男性3,000mg/日、女性2,600mg/日としています(2020年版)。野菜や豆類、海藻類を具材に取り入れた味噌汁を日常的に飲むことは、カリウム摂取の面からも理にかなっています。塩分の摂りすぎを気にするのであれば、塩分量そのものを減らすとともに、カリウムが豊富な具材を意識的に選ぶことが実践的なアプローチです。

まとめ

味噌汁はがん予防との関連性が研究で示されつつあり、塩分については発酵食品ならではの特性を踏まえた正しい理解が求められます。飲みすぎによる塩分過多には注意が必要ですが、具だくさんにして汁の量や濃さを控えめにし、1日1杯程度を目安に減塩の工夫を取り入れれば、健康的な食生活の一部として活用できると考えます。味噌汁は「がん予防の特効食品」ではなく、減塩を意識した食生活の中で上手に取り入れたい食品と言えるでしょう。気になる症状や持病がある方は、消化器内科や腎臓内科などに相談しながら、自分に合った摂取方法を見つけることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」

食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」

国立がん研究センターがん情報サービス「がんの統計・予防」

農林水産省「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」

配信元: Medical DOC

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