
見上愛と上坂樹里がW主演を務める連続テレビ小説「風、薫る」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)の第53回が6月10日に放送。セツ(源氏名・夕凪/村上穂乃佳)の心中話を基にした新聞記事を書いたシマケン(佐野晶哉)が葛藤し、彼女の元を訪れる展開が描かれた。(※以下、ストーリーのネタバレを含みます)
■物書きとしての葛藤…シマケンに友人・槇村が放った愛のある叱咤
シマケンが書いた新聞記事の第二弾は、多くの人々の心を動かした。第一弾よりも脚色を加え、記事内の「夕顔」が雪国出身であること、4人姉妹の長女であることなどが加わり、より創作に近いものになっていった。
友人・槇村(林裕太)に作品を褒められたシマケンだが、その表情は険しく、「自分の作品じゃないから」とどこか投げやり。そんなシマケンに対し、槇村は「いっぺん書いたなら腹括れよ。物書きなら自分で書いたものは自分で引き受けるしかねえだろ! 書かれた本人だって無傷じゃ済まないんだから」と叱咤する。

■「僕のしたことは誠実ではありませんでした」セツの病室を訪れたシマケンの謝罪
友の言葉に背中を押されるように、シマケンはりん(見上)を頼り、「セツに会わせてほしい」と懇願する。戸惑いながらも、りんは彼をセツの病室へと案内。シマケンは入口で深々と頭を下げて自らを名乗った。
ベッドの上のセツは、「私はおたくが書いた儚げな『夕顔』とはだいぶ違うだろ?雪国育ちじゃないしね」と皮肉めいた言葉を投げかける。その言葉に、シマケンは「僕のしたことは誠実ではありませんでした。あなたに対しても、物を書くということに対しても…」と謝罪。
そんな彼に、セツは「どうでもいい」とため息をつき、「おたくが謝ってくれたところで私は何も変わらない。このひどい世界は続いていく。でもあの記事の中だけでも、一緒に死のうと思えるくらい好いた男と出会えたなら…少しは救われるってもんさ」と、過酷な人生の中に見出した、切なすぎる胸の内を吐露するのだった。
■育まれる確かな絆…セツが明かした“産めなかった過去”
シマケンの記事は、思わぬ形で現実を動かしていく。かつてセツを厄介払いしようしていた副院長・渡辺(森田甘路)までもが、「しっかり回復させて早い退院を」と手のひらを返す。さらに院内では、他の患者たちから「夕顔さん、頑張って」と温かい声援まで送られるようになる。
そんな周囲の激変ぶりに、セツは「もう十分だ。一生分大事にしてもらった」と直美に退院の意思を告げる。だが直美は、大事にしたのではなく、どんな人でも当たり前に受けられるのが看護であり、自分の仕事なのだと真っすぐな想いを伝える。その言葉に、セツは「そこに私も入れてもらえるんだ…」と、どこか嬉しそうな微笑みを浮かべた。
心の距離が縮まった直美に対し、セツは誰にも明かせなかった自らの壮絶な過去を静かに語り始める。「私は産めなかった。子どもができたとき、どうやったら産めるか考えたが怖くて産めなかった。よっぽどあんたに会いたかったんだね、おっかさん」という言葉に、顔を見たこともない母の姿を想い、目をうるませる直美。
しかし、病室に戻った2人を待ち受けていたのは、女郎屋の権田(梅垣義明)が腕を負傷して佇む、不穏な姿だった。

■「誰よりも誠実」シマケンの葛藤と、セツ&直美の涙を誘う演技に大反響
自身の行動から逃げずにセツに直接謝罪したシマケン。その姿にSNS上では、「シマケン、『誠実じゃなかった』って言うけれど、誰よりも誠実だよね」「シマケン、物書きとしてきちんと取材しないで書いてしまったことを後悔しているのかな」「変わり者なのに誠実…シマケン、人間味があって推せる」と、彼の不器用な誠実さを応援する声が相次いだ。
また、過酷な運命の中で心を通わせたセツと直美の会話シーンには、「セツさんの笑顔が明るくて良かったなぁ…」「直美ちゃんの看護で少しずつ心も元気になってきたように見える」と安堵するコメントが殺到。同時に、「最後の直美ちゃんの表情すごかった」「目の動きだけで心情を表現する演技に驚き」など、直美を演じる上坂の表現力に称賛の声が多数寄せられている。
◆文=ザテレビジョンドラマ部


