
永作博美が主演を務める火曜ドラマ「時すでにおスシ!?」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)の第10話が6月9日に放送された。3カ月にわたる鮨アカデミーの授業がいよいよ終わるみなと(永作)。講師の大江戸(松山ケンイチ)らとの新たな出会いや気付きを経て迎えたラストは心温まる展開だった。(以下、ネタバレを含みます)
■50歳の主人公が第二の人生を歩み出す姿を描く“人生応援ドラマ”
本作の主人公は、14年前に夫を亡くして以来、一人息子のためにまっすぐに生きてきた50歳の待山みなと(永作)。スーパーの正社員として働く一方、子育て卒業という大きな一区切りを迎え、ひょんなことから3カ月で鮨職人になれる“鮨アカデミー”に通うことに。さまざまな出会いによって自分のために生きる一歩を踏み出していく姿を描く。
みなとが通う鮨アカデミーの堅物講師・大江戸海弥役を松山ケンイチ。みなとの個性豊かなクラスメートとして、大手コンサルティング企業からキャリアチェンジを図る柿木胡桃役をファーストサマーウイカ、寡黙だが誰よりも鮨を学びたいという意欲にあふれる森蒼斗役を山時聡真、仕事をリタイア後に趣味として鮨を習いにやって来たダンディーで多才な紳士・立石船男役を佐野史郎。また、みなとのかけがえのない一人息子・渚役を中沢元紀が務める。
■みなとたちは、「渾身の一貫」という卒業課題に挑む
鮨アカデミーの卒業課題は、「渾身の一貫」。
フランス人留学生のセザール(Jua)は、フランスで人気のサーモンではなく、江戸前の伝統とおいしさを広めたいという思いからサクラマスの漬けを選んだ。立石は“腰が曲がるまで長生きする”として長寿の象徴であるエビが寿司ネタでは尻尾まで真っすぐ伸びていることから、「遊び心と冒険心を持ち続け、鮮やかに、まっすぐ長生きしたい」とエビの握り。胡桃は、授業のときにひと悶着あったアジの握り。寿司店を営む祖父と大江戸が“師匠”である蒼斗は、祖父が得意な鉄火巻。
そして、鮨アカデミーに来て「自分の知らない自分を知ることができた。まだまだ人生これからだと知ることができた」というみなとは、これまで母親として何千回、何万回と作ってきた卵焼きを進化させた、すり身入りの“お寿司屋さんの卵焼き”を作った。
それぞれのこれまでとこれからの思いがこもった“渾身の一貫”に、大江戸は合格を出し、全員が卒業となった。
■クラスメートたちは新たな一歩を踏み出す、みなとも「前向きな未定」から「前向き」に
卒業後、蒼斗は祖父の店を継ぐ前に、鮨アカデミー学長・横田(関根勤)の「よこた鮨グループ」の店での勤務が決まった。“寿司カルチャー”を世界に広めたいと夢を持っていた胡桃は、よこた鮨グループの広報兼ビジネス戦略部で、よこた鮨アカデミーを海外進出させるべく始動。
またセザールは日本人パートナーと共にパリに戻り、パリで一番有名な店で修業することに。立石は、みんながまた集まって腕を振るえるようにと、DIYを学んで自宅に寿司カウンターを作る予定だと明かした。
そんななか、みなとは、働いているスーパーの新店舗店長の打診を受けていたが、それを断ったと言う。今の店舗で働き続けるという「現状維持」。しかし、立石は「でも堂々とそれを選んだなら、たとえそれがどんな選択であっても、ご自分にとってベストな選択ですよ」と言い、胡桃も「そうですよ。ここに来ただけでビックチャレンジだったんですからね、私たち」と語った。
現状維持とはしたが、「今の私だからできることもある」と仕事を続けるみなと。卒業課題の卵焼きのように、みなとの中身は確かな“進化”もあり、家族のためばかりだったこれまでから「人生の自由時間」を取ると親友の泉美(有働由美子)に宣言もした。一方、大江戸は講師を続けながら、自分の店を再び持つという夢を、みなとに打ち明けた。
それを聞いたみなとが「お互いにこれは、“前向きな未定”から、“未定”が取れたと思っていいんですかね」と言うと、大江戸は「いいんじゃないでしょうか」と答えた。
第5話で、まだ明確な夢や目標がなかった2人が語った「前向きな未定」。それがついに「前向き」になったことに、視聴者としてもジーンとくるものがあった。
■みなとと大江戸、「2人らしい」結末
そんな中、やはり気になるのは、みなとと大江戸の関係性。みなとと話しているとき、「待山さんといると、チョコの摂取量は減るのに、口数は増える一方で」と言った大江戸に、SNSには「もうそれ告白ですやん!?」とツッコミが入った。大江戸は、これまで落ち込んだときや煮詰まったときなどにチョコを食べてしのいでいた。それが、チョコで糖分を摂取するよりも、みなとに悩みや思いを打ち明けたいと思うようになっていたのだ。
新たな日々が始まった2人。1カ月ぶりに大江戸がみなとが勤めるスーパーへ買い物にやって来た。何か話したげな大江戸だったが、他の客がいてタイミングを失う。仕事中のみなともただ見送るだけだったが、どこか寂しそうだった。
その夜、スマホでみなととのメッセージページを開いていた大江戸が意を決したようにスマホを手に取る。そこで場面が変わり、自宅でくつろいでいたみなとのスマホにメッセージが届いた。驚いて「何着ていこう?」といそいそと動き始めるみなと。
その様子から大江戸に誘われたのかと思いきや、新幹線の運転手を目指している息子・渚が車掌として初乗車するという知らせだった。それはそれでうれしいことなのだが、ドキドキとヤキモキしてしまう。
そして、愛する息子が働く姿を見たみなとは、京都で一人旅もして「人生の自由時間」を楽しみ、元クラスメートたちにお土産を購入したみなと。もちろん大江戸にも。「これ見つけた瞬間に大江戸先生が目輝かしている姿がすぐに思い浮かんじゃって」と嬉々と胡桃や立石に語ったが、みなとの中でも大江戸の存在は大きくなっていたようだ。
お土産を渡すために大江戸を呼び出したみなと。お土産の品を見て予想通りに目をキラキラさせた大江戸は、自分の店を来年の春に開店予定だと明かし、「もし待山さんさえよければ、新しい店に来てくれませんか?」と誘った。
「うれしいです。もちろん行くに決まっているじゃないですか!」と答えたみなと。その後、場面が変わると、大江戸の店の開店日。店から出てきたみなとは板前姿で、「なんなの、これは~!」と叫んだ。大江戸の誘いは、みなとが思った客としてではなく、店で働くことだったのだ。
ただ、大江戸は、ゆくゆくは一緒に板場で寿司を握ること、さらに自ら開く鮨教室も手伝ってもらうことを願っていた。大江戸の「一世一代の言葉」は、不器用ゆえに言葉足らずだったが、一緒に人生を「前向きに」進んでいくという深いものだった。みなとも「ワクワクの方が大きいです、今。それって…先生と一緒だからですかね?」と言ってしまう2人の関係性が尊い。
SNSには「キュンキュンしすぎてどうにかなりそう」「一緒に寿司屋を始めるのはプロポーズと同じ?」「最後、告白するの?しないの?と、もだもだしたけど2人らしい終わり方といえばそうなのかな」「不器用だなぁと思いつつ これがやっぱり大江戸さんであり みなとさんであり このドラマなんだよな!!」「2人らしい終わり方でほっこり」といった声が上がった。
さらに「これは特番スペシャルでくっつくパターンかな」「鮨海弥のその後も見たい」と続編やスペシャル版放送の期待も寄せられている。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

