上白石萌歌、奈緒と共にサプライズ登壇「役者である自分にできることはただ一つ、想像をし続けること」<菊田一夫演劇賞>

上白石萌歌、奈緒と共にサプライズ登壇「役者である自分にできることはただ一つ、想像をし続けること」<菊田一夫演劇賞>

「大地の子」が「菊田一夫演劇大賞」を受賞し、上白石萌歌がサプライズで登壇
「大地の子」が「菊田一夫演劇大賞」を受賞し、上白石萌歌がサプライズで登壇 / 撮影:田中隆信

上白石萌歌が6月10日に都内で行われた「第五十一回 菊田一夫演劇賞」授賞式に、奈緒と共に登壇した。

■上白石萌歌「日々祈りを込めてお芝居に参加していきたい」

「菊田一夫演劇賞」は、日本演劇界に偉大なる足跡を残した菊田一夫氏の業績を永く伝えるとともに、彼の念願であった演劇の発展のための一助として、大衆演劇の舞台で優れた芸術家を表彰するもの。「演劇大賞」を舞台「大地の子」が受賞し、演出の栗山民也が登壇。そして、栗山の呼び込みで、キャストの上白石萌歌と奈緒がサプライズ登壇した。

上白石萌歌は「上演していたのは今年(2026年)の3月のことなんですが、今でも大地を踏みしめていた時の血のたぎるような、そんな時間と栗山さんの言葉を今でも宝物のように大切に心の中にしまっています。『大地の子』という作品が絡むテーマは、怒りや反骨や様々なものがあると思うのですが、一番はやっぱり人と人との心の話だなと思いながらお芝居をしていました」と、上演時を回顧。

そして「役者である自分にできることはただ一つ、想像をし続けることだなと思っています。実際に自分が見たものや体験したものでなくても、学び続けて想像することができたら。そして、それを人に渡していくのが役者の使命なのかなと思いました。 これからも演劇という泥臭くて、とても美しい世界に憧れを抱きながら、役者として想像し続けながら、日々祈りを込めてお芝居に参加していきたいと思います」と思いを伝えた。

奈緒も「『大地の子』の日々を生きて、海外に行く時に、きっと昔は大きかったであろう地図が、今はスマートフォンで見られるようになって、それでも『大地の子』を出た後に地図を見ると、地図上からは知り得ない一人ひとりの人生がこの世界にはあるんだということに深く気づかされました」と、作品を通しての自身の変化を語り、「本当に『大地の子』でご一緒した皆さんのことが心から大好きで、愛しています。個人としては、またこのような素晴らしい演劇に携われる一人の人間として、俳優になれるように、日々丁寧に精進してまいりたいと思います」と感謝の気持ちを語った。
(左より)上白石萌歌、栗山民也、奈緒
(左より)上白石萌歌、栗山民也、奈緒 / 撮影:田中隆信


■上白石萌音「公演初日の舞台袖ぐらい緊張しております」

「演劇賞」では、「ダディ・ロング・レッグス」のジルーシャ・アボット役、「千と千尋の神隠し」の千尋役の演技が評価され、上白石萌音が受賞。

上白石萌音は「この度は本当にありがとうございます。本当に歴史のある賞と尊いお言葉を賜りまして、公演初日の舞台袖ぐらい緊張しております」とあいさつし、「『千と千尋の神隠し』、そして『ダディ・ロング・レッグズ』に携わられた全ての方々とお客様方と、そしてこれまでのご縁が数珠つなぎのようになって今日があると思いますので、全ての方々に感謝を申し上げます」と感謝。

そして「私は幼い頃から演劇が大好きで、演劇に携わりたくてこの世界に足を踏み入れました。演劇の世界では、あの作品のあの役をいつか演じてみたいという具体的な憧れを持つことができると思うのですが、『ダディ・ロング・レッグズ』のジルーシャは私にとってまさにそれで、高校生の時から再演のたびに劇場に足を運んで、DVDも擦り切れるほど見ておりました。なので、オリジナルキャストである井上芳雄さんと坂本真綾さんがお稽古される姿を一番近くで見て学べたことは本当に宝物です」と「ダディ・ロング・レッグス」への思いを語った。

さらに「『千と千尋の神隠し』では海外公演にも参加させていただいております。 文化の違いから来るお客様の反応の違いに驚いたり、反対に国境を越えても変わらない人の普遍性に触れてうれしくなったりします。海外公演の時は、半数以上が現地スタッフの方になりますので、お互いの働き方に影響を受けることも多々ありまして、この貴重な経験をこれからも大切にしていきたいなと思っております」と海外公演も経験した「千と千尋の神隠し」で得たことを語り、「幼い頃に抱いた演劇への憧れをそのまま大切に持ちながら、いつもワクワクしながら精進してまいりたいと思います」と思いを伝えた。。

他に、石川禅(「ダンス・オブ・ヴァンパイア」「ジェイミー」「サムシング・ロッテン!」「レイディ・ベス」)、佐藤隆紀(「ジキル&ハイド」「エリザベート」)、松尾スズキ(「クワイエットルームにようこそ The Musical」「アンサンブルデイズ―彼らにも名前はある―」)も「演劇賞」を、長年の「ロマンチック・レビュー」シリーズの功績が評価されて岡田敬二が「演劇賞特別賞」を受賞した。

◆取材・文=田中隆信
上白石萌音
上白石萌音 / 撮影:田中隆信

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