ペキ子さんは、夫の優一さんと2人暮らし。優一さんは公務員として働く次男で、イケメンかつやさしい性格の持ち主。ペキ子さんにとってはまさに完璧な夫です。
そんなペキ子さんは、幼いころから「完璧な母親」になることを夢見てきました。待望の妊娠がわかると、自作の育児本をもとに生活を徹底管理。20時就寝、毎朝のスムージー、クラシック音楽のある暮らしを始め、仕事も辞めました。出産後は、娘のカンナちゃんを将来有名大学に通わせたいと考えるように。優一さんから「カンちゃんが嫌がったら辞めさせてあげて」と言われると、不満を言われないよう自宅にカメラまで設置します。
2歳になっても言葉を話さないカンナちゃん。ペキ子さんは、娘の将来を悲観し、思わず首に手をかけてしまいます。母親の言葉もよぎる中、優一さんの「どんなカンちゃんもかわいい」という発言を思い出し、なんとか思いとどまりました。そしてペキ子さんも「ありのままのカンちゃんでいい」と思い直します。
ところがその後、カメラの記録を確認した優一さんから、当時のことを問い詰められます。ペキ子さんは、自身の過去の経験を打ち明けながら、必死に弁明しました。
夫婦での話し合い











優一さんから「カンちゃんから少し離れるべきだ」と伝えられたペキ子さん。
「それって離婚したいってこと?」と尋ねます。
優一さんは「離婚は何度か考えた」と胸の内を明かした上で、
カメラに映るペキ子さんからは、カンナちゃんへの深い愛情が伝わっていたため、「でもカメラの映像を確認するたびに離婚は違うって思った」と伝えるのでした。
優一さんから「カンちゃんから少し離れるべきだ」と告げられたペキ子さん。思わず「離婚したいということなのか」と受け止めてしまうのも無理はありません。しかし、優一さんが見ていたのは、ペキ子さんの危うい一面だけではありませんでした。
カメラに映っていたのは、カンナちゃんを傷つけかねない行動だけでなく、母親として必死に向き合おうとする姿でもあったのでしょう。だからこそ優一さんは、離婚で切り離すのではなく、まずはペキ子さん自身が落ち着きを取り戻し、カンナちゃんと安全に向き合える距離をつくる必要があると考えたのだと思います。
育児中に心の余裕を失うことは、誰にでも起こり得ます。けれど、子どもの安全に関わる場面では、「頑張る」だけではなく、いったん離れること、助けを求めることも大切です。児童相談所相談専用ダイヤル「0120-189-783」や児童相談所虐待対応ダイヤル「189」など、匿名で相談できる窓口もあります。ひとりで抱え込まないことが、子どもと自分を守ることにつながります。
著者:マンガ家・イラストレーター ツムママ

