引っ越してきてから、隣に住む女性とは挨拶を交わす程度の関係でした。ある日、子どもと買い物から帰ってくると、その女性から突然「お子さんって……」と声をかけられた私。何げない会話だと思っていたのに、続く言葉に思わず背筋がひやりとしたのです……。
隣人に話しかけられてゾッとしたワケ
今の家に引っ越してきてから、近所付き合いはそこまで深くありません。隣の女性とも、外で顔を合わせれば「こんにちは」と言うくらいで、ゆっくり話したことはほとんどありませんでした。
ただ、以前から少しだけ気になることはありました。
洗濯物を干しているときや、子どもたちと玄関先に出たとき、ふと視線を感じることがあるのです。顔を上げると、隣の家の窓や庭先にその女性の姿が見えることがありました。目が合うとすぐにそらされることもあり、私は何となく気まずさを感じていました。
とはいえ、近所に住んでいれば、たまたま目に入ることもあるのだろうと思っていました。実際、その女性は近所の人たちとはよく話しているようで、道端で立ち話をしている姿も何度か見かけていました。
そんなある日のことです。
子どもたちと買い物から帰ってきて、家の前で荷物を下ろしていると、隣の女性と顔を合わせました。いつものように挨拶だけして家に入ろうとすると、女性が急に話しかけてきました。
「失礼だけど……お子さん、習い事でも始めたの?」
突然の話に、私は少し驚きました。まだ返事に迷っていると、女性は続けました。
「今年から上のお子さん、さくら組になったのね。早いわねえ」
その瞬間、背中がひやっとしました。
登降園の時間帯に顔を合わせることはほとんどありません。それなのに、4歳の子のクラスまで知っているということは、日ごろから意識して見ていなければわからないはずです。思っていた以上に見られていたのかもしれない。そう気づいた瞬間、急に怖くなりました。笑顔で話す女性の前で、私はどんな顔をしていたのかも覚えていないくらいです。
私はうまく返事ができず、「そうですね……」「まあ……」と曖昧に答えるだけで精いっぱいでした。
その女性はそれ以上深く聞いてくることはなく、少し話すとそのまま家のほうへ戻っていきました。
家に入ってからも、私はしばらく落ち着きませんでした。
どこから、どのくらい見られていたのだろう。子どもたちの様子が、思っていた以上に知られていたのかもしれない。そう考えると、気持ちがざわつきました。
その日以降、その女性から同じように話しかけられることはありません。だからこそ、あのときだけ突然、さらっと言われたあの一言が、今でも強く印象に残っています。
近所付き合いの中で、相手の生活が自然と目に入ることはあると思います。女性に悪気はないと思いますが、細かく伝えられると、あまり気持ちのいいものではないのだと知りました。
それ以来、近所付き合いには以前より少し気を配るようになりました。距離感は大切にしながらも、自分なりに心地よい関係を築いていけたらと思っています。
著者:田中真琴/30代女性/2児の母。教育関係の仕事に就いている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)

