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市販の「薬」も落とし穴に?劇症肝炎の“見逃しやすい”前兆と症状

市販の「薬」も落とし穴に?劇症肝炎の“見逃しやすい”前兆と症状

「急に身体がだるくなった」「食欲がなくて動けない」-そのような症状が続いていても、肝臓の病気とは結びつかない方も少なくないのではないでしょうか。劇症肝炎は、肝臓の細胞が広範囲にわたって急速に壊死し、機能が急激に低下する疾患です。この記事では、劇症肝炎の定義や原因、発症のメカニズムについてわかりやすくご説明します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

劇症肝炎とはどのような病気か

まずは劇症肝炎の基本的な定義と特徴を整理します。名前だけでは具体的なイメージを持ちにくい方も多いため、発症のメカニズムと背景から理解を深めていきましょう。

劇症肝炎の定義と特徴

劇症肝炎とは、肝臓の細胞が広範囲にわたって壊死(えし)し、肝臓本来の機能が急激に低下する疾患です。日本では一般的に「急性の肝障害が出現してから8週以内に高度の肝機能障害が生じ、意識障害(肝性脳症)を伴う状態」と定義されています。肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、症状が表れたときにはすでに深刻な状態になっていることが少なくありません。

劇症肝炎の特徴の一つは、その進行の速さです。健康に見える状態から数日〜数週間のうちに重篤な状態へ移行することがあり、治療のタイミングを逃すと命に関わります。肝臓は栄養の代謝、解毒、タンパク質の合成といったさまざまな機能を担っており、これらの機能が一気に失われることで身体全体に深刻な影響が及びます。

劇症肝炎が起こる主な原因

劇症肝炎の原因はさまざまですが、大きく分けると「ウイルス性」「薬剤性・中毒性」「自己免疫性」「原因不明(非A非B非C型)」に分類されます。ウイルス性では、B型肝炎ウイルスが劇症化の原因として知られており、A型肝炎ウイルスが関与する場合もあります。

薬剤性・中毒性では、市販の解熱鎮痛薬や健康食品・サプリメント、アルコールの大量摂取が引き金になることがあります。自分では問題ないと思っていた薬や食品が肝臓に大きな負担をかけている場合もあるため、注意が必要です。自己免疫性肝炎が急性増悪して劇症化するケースも報告されています。原因の特定が難しいこともありますが、いずれの原因であっても、早期に医療機関を受診することが重要です。

まとめ

劇症肝炎は、だるさや発熱といった日常的な症状から始まり、急速に悪化する重大な疾患です。黄疸・濃い尿・強烈な倦怠感といったサインを見逃さず、早めに内科や消化器内科を受診することが、回復への道を開く第一歩となります。症状に不安を感じたら、自己判断で様子を見るのではなく、迷わず医療機関に相談することをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「肝炎とは」

厚生労働省「肝炎総合対策の推進」

国立国際医療研究センター 肝炎情報センター「B型肝炎」

配信元: Medical DOC

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