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価値観が180度変わる!!“心が動く”その瞬間を切り取った名作!15歳の少年が出合った“青”がすごい【作者に聞く】

価値観が180度変わる!!“心が動く”その瞬間を切り取った名作!15歳の少年が出合った“青”がすごい【作者に聞く】

「生涯忘れることができないのだろう」――この物語はそのひと言で締めくくられる。自分の人生を変えてしまうような深いインパクトと出合ったとき、目の前の景色がパッと開け、これまでの価値観が簡単に180度ぐるりと覆されてしまうことがある。この物語は、どこか冷めた大人びた少年が、“あるもの”との出合いに衝撃を受けた瞬間を描いた作品である。

主人公が目にした“忘れられない青”とは?
主人公が目にした“忘れられない青”とは? / しばたさびまる(@pizakuigumatori)


本作の主人公は倫太郎、15歳。受験を無事に終え、高校入学を待つ思春期の少年である。そんな彼は山奥で暮らす陶芸家の叔父の家に久しぶりに遊びに来ていた。勉強一筋で常に将来を見据えて人生を選択する現実派の彼にとって、日々粘土をこね、せっかく完成した作品も割ってしまう叔父の人生は理解ができなかった。叔父から「彼女いないの?」と聞かれても「恋愛は不要で無駄なもの」とバッサリ吐き捨てる倫太郎。そんな冷めた彼の心に熱を帯びさせたのは、森の中で出合った“青い鳥”だった。倫太郎はその鳥の青さに目を奪われ、心も奪われてしまう。その様子を見た叔父は「鳥とは盲点だったな…」と苦笑いする。「あいつ兄貴じゃなくて俺に似てるのかも…」と。
夢は見ず、現実のみを直視する倫太郎
夢は見ず、現実のみを直視する倫太郎 / しばたさびまる(@pizakuigumatori)


本作を読んだ読者からは「憧れやときめきって、ときに人生を変えてしまう気がする。これはいいお話だなあ」「心が動くって、こういうことなんだと改めて感じることができました」「主人公の表情に見入ってしまいました…!」などの感想が届いた。本作『こいあお』を描いたのは、漫画家のしばたさびまる(@pizakuigumatori)さんである。しばたさびまるさんに本作について話を聞いてみた。
青い鳥を追いかける倫太郎の心に熱がこもる
青い鳥を追いかける倫太郎の心に熱がこもる / しばたさびまる(@pizakuigumatori)


――本作では、倫太郎が“青い鳥”と出合ったことで価値観が大きく変わる様子が描かれています。この「人生を変えるような出合い」というテーマを扱った理由は?

この作品を描こうと思ったきっかけは、めちゃくちゃアツい漫画を読んだことでした。タイトルは伏せますが、その漫画を読んだときに「私はこういう展開やキャラを描きたくて漫画を描きたいと思ったんだ…」と感銘を受けました。と同時に「こんな世界観は私には描けない…」と諦めにも似た感情を覚えました。

「描きたい!」という情熱と、「敵わない!」という己の非力さを痛感し、この気持ちをどうにか発散できないかと考えてできた作品が、この『こいあお』です。

――なるほど…!作者が帯びていた“熱”が、作品を通して読者に伝線していた理由がわかりました!“青い鳥”というモチーフにも意味や役割が込められていますか?

青い鳥は好きなものや目指したい目標の比喩として扱いました。現実には存在しない姿形をしていますので図鑑にも載っていません。もしかしたら倫太郎に見えているのも、幻想なのかもしれません…。しかし倫太郎には非常に魅力的に見える存在として描いた存在が“青い鳥”です。

――陶芸家である叔父の生き方と倫太郎の価値観の違いもとても印象的でした。この対比を描いた理由や意図は何でしょう?

読む人によって、倫太郎のモノローグの意味の捉え方が変わるといいなと思ってこの2人を描きました。好きなものや目指したいことを見つけた、もしくは見つけてしまった人間は、それ以降どんな弊害があっても情熱を諦めることができないと私は思っています。倫太郎は「好きなものをこれから見つけて燃えていく人」、叔父は「好きなものをすでに見つけて燃え続けている人」をイメージして描いています。

――「好きなものを見つけてしまった」という表現、すごくしっくりきました。見つけてしまった、出合ってしまったら、その情熱はなかなか消えない…という心境、わかります!

ただ、生きていく上で“情熱”は決してたやすい道を示してくれるものではありません。もっと賢くて生きやすい選択肢が目の前にあったとしても、「好きなもの」に目を奪われて、最良の選択が行えないことだってあります。

そのなれの果てが叔父です。よくも悪くも愚直な人です。だから彼は世間との交流をほとんど断ち、ひとりで山奥で暮らしています。しかし彼は“すげえきれいな器”を目指して制作を続けられることを最良の選択だと思っています。対して倫太郎は賢い人間です。それが叔父との交流や、青い鳥との出合いによってこれからの人生がどういうふうに変化していくのか…!ぜひ想像を巡らせながら読んでいただければ幸いです。

夢中で追いかけていると足を踏み外してしまって…!?
夢中で追いかけていると足を踏み外してしまって…!? / しばたさびまる(@pizakuigumatori)

今回紹介した『こいあお』は、作者いわく「誰にでも一度はあるだろう経験を描いています」とのこと。本作を読むことで、自分の心が動いた瞬間を思い出すきっかけになり、あのころの“熱”が少しでもよみがえれば、それはとてもすてきなことだろう!

取材協力:しばたさびまる(@pizakuigumatori)

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