前作『うらめしや』が大ヒット！国内外で高い評価
たにむらのりあきさんは、国内外の広告賞を多数受賞し、株式会社HONNOWに所属する注目のクリエイターです。2024年6月に刊行された初の絵本『もののけしょくどう うらめしや』は、使い捨てを含めモノが溢れる現代に、"もののけとなったモノ"を通して、モノを大切にする気持ちや人と違う視点を持つ面白さ、食べる楽しさを伝える作品として話題を呼びました。
その独特の世界観は多くの人々の心を掴み、「第17回MOE絵本屋さん大賞2024」新人賞と紀伊國屋書店「キノベス！ キッズ2025」をW受賞。さらに2025年9月には台湾版が、10月には韓国版が刊行されるなど、国際的にも注目を集めています。
せいろの中で食べものたちが"ととのう"！新作の見どころ
最新作『せいろサウナ ぽかぽかや』は、前作同様に「身近なモノ」×「食べもの（食べること）」×「化ける（変化する）」という要素が盛り込まれた作品です。
ゆげがもくもく出てきたら、「ぽかぽかや」開店！最初のお客さんは肉まんさん。おなかのなかまであたたまるぞーと意気込んでいると、おやおや、少しふっくらした様子。やがて「点心友だち」がやってきてサウナはぎゅうぎゅうに…。
せいろを使った調理工程を舞台に、食べ物が実際に変化していく過程を、読者も一緒に絵本に入り込みながら楽しめます。肉まんやシュウマイなど、それぞれの食べ物の個性ある表情や状態の変化にも注目です。せいろの中で最高潮にまで温められた後、蓋を開け、外気に触れることで美味しく"ととのう"食べ物たちの細やかな描写にもこだわりました。
本作には、子どもたちに日常で食べているものがどのようにして美味しくなり自分のもとへと届けられているのか、関心を持ってもらいたいというたにむらさんの願いが込められています。読んでいると食欲がわいてきて、読み終えるとすぐにまた何度でも開きたくなる絵本です。子どもだけではなく、料理好きやサウナ好きの大人など、ご家族みんなで長く楽しむことができる作品となっています。
