波瑠“ルナ”が麻生久美子“涼子”に力をもらってたどり着いた答え ラストはミステリー作らしい演出も<月夜行路 最終回>

波瑠“ルナ”が麻生久美子“涼子”に力をもらってたどり着いた答え ラストはミステリー作らしい演出も<月夜行路 最終回>

ルナ(波瑠)と涼子(麻生久美子)の友情も感動を呼んだ物語が終幕
ルナ(波瑠)と涼子(麻生久美子)の友情も感動を呼んだ物語が終幕 / (C)日テレ

波瑠と麻生久美子がW主演を務めるドラマ「月夜行路 -答えは名作の中に-」(毎週水曜夜10:00-10:54、日本テレビ系/Huluにて配信)の第10話が6月10日に放送された。前半の涼子(麻生)の元カレ探しから、後半のルナ(波瑠)のパスワード解読へ。文学、そして友情に彩られながら続いた2人の“旅”が終わりを迎えた。(以下、ネタバレを含みます)

■バーのママ×専業主婦の異色バディによるミステリー

本作は、ミステリー作家・秋吉理香子氏の同名小説が原作の“痛快文学ロードミステリー”。

波瑠が演じるのは、重度の文学オタクである銀座のバー「マーキームーン」のママ・野宮ルナ。麻生は、仕事漬けの夫と反抗期の子どもにないがしろにされる主婦・沢辻涼子に扮(ふん)する。ひょんなことから出会った2人はバディとなり、ルナの文学の知識を生かして、行く先々で出合う事件の真相と入り組んだ人間ドラマをひも解いていく。

出演はほかに、涼子の夫で大手出版社に勤める菊雄役を田中直樹、ルナの同級生で大阪府警から警視庁で研修中の刑事・田村徹矢役を柳俊太郎、田村の元相棒でルナの店で働いている小湊弘樹役を渋川清彦が務める。

■ルナの父が姿を消してしまう

母・美里(石野真子)に頼まれ、父・英介(石橋凌)のパソコンのパスワード解読を試みているルナ。そんな中、難しい手術が予定されている英介が緊急搬送され、ルナは涼子の強い後押しもあり、病室に駆け付けた。だが、ひとまずは無事だったのを確認すると、そのまま会わずに帰った。

ルナは英介に「文学では人を救えない」と小説家の夢を否定され、15年以上も絶縁状態だった。それゆえトランスジェンダー女性としての今の自分を否定されるのではないかという怖れと、「これ以上、父の心を乱したくない」という思いで揺れていた。

心の中の思いを正直に打ち明けてくれたルナに、涼子は「この先ママがどんな選択をしても私はママを応援するから」と言う。

そんなとき、英介が病院からいなくなった。美里の元には「今日一日だけ好きにさせてほしい。最後の頼みだ」と連絡があった。さらにルナの従兄・正義(田村健太郎)によれば、「もう家には帰れないかもしれないな」と漏らしていたという。

■驚きの場所で見つかったルナの父、パソコンの謎も解明

涼子の計らいで田村と小湊にも協力してもらい、英介を捜索することに。英介の書斎にあったヒントから太宰治ゆかりの地でもある三鷹市に向かったルナたち。しかし、夜になっても英介を見つけられなかった。

夜空を見上げた涼子が月の話題を始めたとき、ルナが物心ついたときから好きだったアンデルセンの「絵のない絵本」を思い出した。貧しい青年の元に“月”が現れ、空から見てきた世界中の情勢を語って聞かせるという物語だ。すると涼子が初めて会ったときにルナが教えてくれたアンデルセンの言葉「To travel is to live(旅することは生きること)」が人生を変えてくれたのだと語った。

そこに団体客のためルナの店に戻っていた小湊から、英介が見つかったと電話があった。英介はルナの店にやって来ていた。英介が最後にたどりつきたかったのは、ルナのところだったのだ。

ルナは、英介捜しの中にあった情報をもとに、パスワード解読を試みた。その読みは外れてしまうが、涼子がそこに足りなかった数字を思い付き、見事にログインできた。その数字とは、待ち受け画面になっていた夏目漱石の名作「吾輩は猫である」の「吾」に隠れていた「五」だった。

■ルナ「私は私のまま、ここにいていい」

パソコンの中にあったフォルダにあったのは、ルナが“重原壮助”名義で書いていた小説の感想。ようやく父親と向き合う決心がついたルナは病院へ向かった。

“ルナ”という名前にしたのは、英介が誕生日にくれた「絵のない絵本」に出てくる月のように「誰かの暗い道を照らせる存在になりたい」と思ったから。それに英介は「いい名前だ」とほほ笑んだ。

「あなたに、この世界にいてほしい」と願ったルナは、「私もこの世界にいてもいいですか?」とおそるおそる問い掛けた。英介は「当たり前だ。おかえり」と言って、ルナの頭をなでた。

英介は担当していた医学誌のコラムで、「文学が人を救えない」という考えは誤りだったとした。そして病院を抜け出して太宰の墓所を訪れたとき、その向かいにあった森鴎外の墓には文豪でも軍医でもなく、本名の林太郎と記されていることに触れ、「彼のように誰もが『吾輩は吾輩である』と胸を張ればいいのだ。あなたはあなたであれ」とつづられていた。

そんな父のメッセージを受け取ったルナは、小説家として今の本名として出した新著に自分からのメッセージを隠した。自分の正体を明かす出版会見では、作品に込めた思いとして、父の言葉にちなんで「私は私のまま、ここにいていい。誰もがそう思ってほしい」と語った。また、緊張する自分に「大丈夫、きっとうまくいく」と応援してくれた涼子に「出会ってくれてありがとう」と感謝した。

文学に彩られた旅からひも解かれた「私は私のまま、ここにいていい」ということ。視聴者からは「『あなたはあなたであれ』いい言葉」「『私もこの世界にいていいですか?』というせりふが心に響いた」「大人になってから築く最上級の友情を見せてもらえて何だかうらやましくも思える作品でした」「友情も親子愛も夫婦愛も家族愛もいろんな愛が詰まってたね」「素敵な結末」「文学に絡めた素敵なドラマだった」といった声が寄せられた。

そしてラストは、書店に並んでいたルナのサイン本がなくなるというミステリー。その謎解きが視聴者にもゆだねられた演出も楽しい終幕だった。

※柳俊太郎の柳は、「木」偏に「夘」が正式表記

◆文=ザテレビジョンドラマ部







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