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『過敏性腸症候群』の原因は“ストレス”?上手に付き合うための7つのチェックリスト【医師解説】

『過敏性腸症候群』の原因は“ストレス”?上手に付き合うための7つのチェックリスト【医師解説】

IBSはストレスと密接な関係があります。腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれるネットワークで結ばれており、精神的な緊張が腸の動きを乱すことがあります。腹式呼吸やマインドフルネス、適度な運動、規則正しい睡眠は、自律神経のバランスを整え、症状の安定に役立つとされています。症状が日常生活に影響している場合は、消化器内科や心療内科への相談も視野に入れてみてください。焦らず、着実に一歩ずつ進めていきましょう。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

IBSとストレスに対する心理的アプローチ

IBSの治療においては、心理的なアプローチが症状の改善に役立つ場合があります。食事の改善だけでは不十分なときや、ストレスや不安が強く症状に影響しているときに、心理的な側面からのサポートが重要となります。

認知行動療法とIBSへの効果

認知行動療法(CBT)は、考え方や行動のパターンを見直すことで、ストレスや不安を和らげる心理療法の一つです。
IBSに対するCBTでは、症状に対する過度な不安や「食べると必ず症状が出る」といった思い込みを見直し、より柔軟な考え方を身につけることを目指します。

研究では、CBTがIBSの症状や生活の質の改善に効果をもたらすことが示されています。ただし、すべての人同様の効果が得られるわけではないため、かかりつけ医と相談しながら、自分に合った治療法を組み合わせていくことが重要です。
IBSの心療内科外来などで取り扱われることがあり、医師と相談しながら取り入れることができます。症状が日常生活に大きな支障をきたしている場合は、心理的なサポートも視野に入れることが大切です。

腸に特化したリラクゼーション法

腸に特化したリラクゼーション法として、「腸指向性催眠療法(ちょうしこうせいさいみんりょうほう)」と呼ばれるアプローチがあります。これは催眠の状態でリラクゼーションを深め、腸に対するポジティブなイメージや感覚を意識的に取り入れることで、腸の過敏な反応を和らげることを目的としています。
海外の研究では、IBSの腹痛や全体的な症状の改善に効果があることが報告されており、薬物療法と組み合わせて活用されることもあります。

日本ではまだ広く普及しているわけではありませんが、IBSの治療の選択肢の一つとして知られています。
症状の状況に応じて、医師と相談のうえで検討する価値のある方法です。

IBSとストレス管理のための生活習慣全体の見直し

IBSの管理は、特定の食べ物を避けることやストレス対策を個別に行うことだけでなく、生活習慣全体を整えることが重要です。食事・運動・睡眠・メンタルケアをバランスよく組み合わせることが、長期的な症状の安定につながります。

IBSと上手に付き合うための生活習慣チェックリスト

日常生活でIBSと上手に付き合うために意識したいポイントを以下にまとめます。

・食事はできるだけ規則正しい時間に取る
・早食いを避け、ゆっくりよく噛んで食べる
・症状を誘発しやすい食品をできる範囲で把握し、意識的に調整する
・アルコールやカフェインの過剰摂取を控える
・毎日30分程度のウォーキングなど、軽い運動を習慣にする
・就寝・起床の時間をできるだけ一定にする
・腹式呼吸やマインドフルネスをリラックスの習慣として取り入れる
・症状や食事・ストレスの状況を記録し、パターンを把握する

これらをすべて一度に完璧にこなそうとせず、できることから少しずつ取り入れていくことが長続きのコツです。

医師への相談と継続的なフォローの重要性

IBSは慢性的な疾患であり、症状の波があります。自己管理だけで改善が見られない場合や、症状が日常生活に大きく影響している場合は、消化器内科や内科、心療内科などへの相談を検討することが大切です。医師は症状の評価を行ったうえで、必要に応じて薬物療法(腸の動きを調整する薬や、腸の過敏さを抑える薬など)や専門的な食事指導、心理的サポートなどを組み合わせた治療方針を提案します。

また、IBSと似た症状でも、別の病気である場合があります。血便や黒色便、原因不明の体重減少、発熱、夜間に腹痛で目が覚めたりする場合は、悪性腫瘍や炎症性腸疾患などIBSとは別の病気の可能性もあるため、早めに消化器内科を受診してください。

IBSは適切なアプローチを続けることで、症状をコントロールし生活の質を高めていくことが期待できる疾患です。
一人で悩まず、専門家とともに改善に向けた取り組みを続けていただきたいと思います。

まとめ

IBSは、食べ物・FODMAP・ストレスが複雑に絡み合う疾患です。症状を引き起こしやすい食品を把握し、低FODMAP食を取り入れながら、ストレス対策や生活習慣の改善を組み合わせることで、症状を和らげることが期待できます。
一人ひとりに合った対応が必要なため、まずは消化器内科や内科などへ相談することをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「過敏性腸症候群」e-ヘルスネット

日本消化器学会「過敏性腸症候群(IBS)ガイドライン」

慶應義塾大学病院「KOMPAS 過敏性腸症候群」

配信元: Medical DOC

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