がん治療の後に起こることが多いとされている「リンパ浮腫」。浮腫というと、足がむくむといった症状が頭に浮かびますが、具体的にどのような症状が起こるのでしょうか。今回は、初期症状にフォーカスをあて「ソウクリニック四条烏丸」の荘子先生に解説していただきました。

監修医師:
荘子 万理(ソウクリニック四条烏丸)
帝京大学卒業。日本乳癌学会 乳腺専門医、日本外科学会 外科専門医、女性診療プラクティショナーコース修了等の資格を保有。京都府立医科大学付属病院・近江八幡市立総合医療センターで研修を修了したのち、複数の総合病院にて乳癌の診断・薬物療法・手術・終末期医療に従事してきた。乳癌診療を通して得た経験をもとに、女性のライフスタイルに寄り添った乳癌治療やケアをはじめ、女性の悩み全般に対するかかりつけ医を目指して、2023年4月に京都府京都市にソウクリニック四条烏丸を開院。
編集部
そもそも「リンパ」とは何なのですか?
荘子先生
まず、私たちの身体には、毛細血管というものが全身に張り巡らされています。実はこの血管にはごく小さな穴が開いており、そこから「血漿(けっしょう)」と呼ばれる血液の液体成分が漏れだしています。漏れた先の組織から出てくる物質を含めて、この液体成分はまた血管に戻ったり、毛細リンパ管というところに入ったりします。この後者の毛細リンパ管に入る、黄みがかった液体成分のことを、リンパ液(リンパ)と呼びます。毛細リンパ管は名前の通り非常に細いのですが、それが合流してリンパ管となり、最後は静脈に注ぎ込みます。リンパ管の途中にはリンパ節という丸い部分があり、リンパ液はそこで濾過されながら静脈に向かっていきます。
編集部
リンパによって浮腫が起きるとはどういうことですか?
荘子先生
血液は心臓によって送り出されるので何もしなくても流れますが、リンパはそうしたポンプがなく筋肉を動かすことによってはじめて流れるので、流れが滞りやすいのです。リンパ液は、リンパ管に入れないと組織の中に溜まってしまいます。これが、リンパ浮腫の正体です。
編集部
リンパ浮腫の初期症状にはどのようなものがありますか?
荘子先生
「浮腫」という名前の通り、むくみが出てきます。このむくみは、全身というよりも、片方の腕や下肢だけなど、部分的に出ることが多いのです。また、液体が溜まっている状態なので、身体が重く感じられ、だるく疲れやすくなります。ほかにも、手足が動かしにくかったり、皮膚が張ってきてつまみにくくなったりする方もいらっしゃいます。
※この記事はMedical DOCにて【「リンパ浮腫」の原因・治療法を医師が解説 がん治療の後遺症で起こりやすいのはなぜ?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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