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「亜急性甲状腺炎」診断に必要な“3つの検査”と、鑑別すべき似た症状の“4つの病気”

「亜急性甲状腺炎」診断に必要な“3つの検査”と、鑑別すべき似た症状の“4つの病気”

亜急性甲状腺炎の診断には、血液検査・超音波(エコー)検査・核医学検査などが組み合わせて用いられます。特に赤血球沈降速度の著しい上昇は、この疾患に特徴的な所見とされています。また、バセドウ病や橋本病など症状が似た疾患との鑑別も重要です。どのような検査が行われ、何を確認しているのかを知っておくと、受診時の理解がより深まります。

久高 将太

監修医師:
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)

琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。内分泌代謝・糖尿病内科専門医。

亜急性甲状腺炎の症状を見分けるための診断プロセス

亜急性甲状腺炎は症状が多岐にわたるため、正確な診断には複数の検査が必要です。このセクションでは、どのような検査が行われ、何を確認するのかについて説明します。

血液検査で確認する項目

亜急性甲状腺炎の診断において、血液検査は欠かせない手段のひとつです。確認する主な項目には以下のものがあります。

甲状腺ホルモン値(FT3・FT4=血液中の甲状腺ホルモンの量 ):炎症の初期には上昇し、機能低下期には低下します
TSH(甲状腺刺激ホルモン=甲状腺の働きを調整する脳からのホルモン ):甲状腺ホルモンが増えると低下し、機能低下期には上昇します
C反応性蛋白 (CRP=体内の炎症の強さを示す数値):炎症が強いほど高い値が出る傾向があります
赤血球沈降速度(ESR=体内の炎症の強さを示す数値 ):亜急性甲状腺炎では著しく上昇することが多く、診断の参考になります
甲状腺自己抗体(TPO抗体など):橋本病などの自己免疫疾患との鑑別に用いられます

これらの数値を総合的に評価することで、亜急性甲状腺炎かどうかの診断が進められます。特に赤血球沈降速度の著しい上昇は、亜急性甲状腺炎に特徴的とされており、診断の重要な手がかりになります。

超音波(エコー)検査と核医学検査

甲状腺の超音波検査(エコー検査)は、甲状腺の状態を画像で確認するために行われます。亜急性甲状腺炎では、炎症が起きている部位が低エコー(画像上で暗く映る)として確認されることが多く、その分布や広がりを評価することができます。

また、甲状腺シンチグラフィ(核医学検査)と呼ばれる検査では、放射性ヨードや放射性テクネチウムを用いて甲状腺の機能的な状態を確認します。亜急性甲状腺炎の場合、炎症によって甲状腺のヨード取り込みが低下するため、この検査でバセドウ病との鑑別が可能です。なお、この検査は施設によって実施状況が異なります。

診断時に鑑別が必要な疾患

亜急性甲状腺炎と症状が似ている疾患がいくつかあり、正確な診断のためには鑑別(区別)が必要です。主な鑑別疾患には以下のものがあります。

バセドウ病:甲状腺機能亢進症が続く点で異なり、TSH受容体抗体が陽性
橋本病(慢性甲状腺炎):慢性的な炎症で、自己抗体が陽性になることが多い
化膿性甲状腺炎:細菌感染による急性炎症で、より強い痛みと高熱が特徴
甲状腺腫瘍:痛みを伴わないことが多いが、エコー検査での確認が必要

こうした疾患との鑑別を正確に行うためにも、血液検査・エコー検査・核医学検査を組み合わせた総合的な評価が求められます。

まとめ

亜急性甲状腺炎は、首の痛みや発熱など日常的な症状と区別しにくいことから、見逃されやすい疾患のひとつです。特に女性に多く、適切な診断と薬による治療が回復の鍵を握ります。症状が気になる方は、自己判断せずに早めに医療機関を受診してください。内科や内分泌内科・甲状腺外来への相談が、回復への第一歩につながります。かかりつけ医がいる場合は、まずそちらへ相談するところから始めてみてください。

参考文献

日本甲状腺学会「甲状腺疾患診断ガイドライン2024」

日本内分泌学会「亜急性甲状腺炎」

厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル|甲状腺中毒症」

配信元: Medical DOC

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