顔面神経麻痺の治療法や注意点
編集部
顔面神経麻痺の治療は、どのようにおこなわれるのですか?
中尾先生
基本はステロイド薬で炎症を抑えながら、抗ウイルス薬も併用します。症状の程度によっては入院で点滴治療をおこないます。また、リハビリテーションとして顔の筋肉を動かす訓練も有効です。
編集部
手術が必要になるケースもあるのですか?
中尾先生
重症で神経の圧迫や損傷が疑われる場合には、神経減圧術などの外科手術が検討されます。ただし、これは一部のケースであり、ほとんどは薬物療法とリハビリテーションで改善が期待できます。
編集部
手術をすることはほとんどないのですね。
中尾先生
多くの場合、手術は不要とされています。ただし、神経がむくんでいる場合などは、脳外科や耳鼻科など専門性の高い医療機関で手術をおこなうこともあります。
編集部
発症後、日常生活で注意すべきことは?
中尾先生
目が閉じにくい場合は角膜が乾燥して傷つきやすいため、点眼薬や眼帯で保護することが大切です。また、バランスのよい食事や十分な休養で体の回復力を高めることも重要です。
編集部
顔の筋肉がきちんと動くよう、マッサージをするのはどうでしょうか?
中尾先生
リハビリテーションの一部として、鏡を見てマッサージをすることはありますが、必ず医師などの指示に従っておこなうことが大切です。自己流のマッサージはかえって症状を悪化させることがあるため、できる限り避けましょう。
編集部
早期受診の目安はありますか?
中尾先生
顔が動かしにくい、目や口が閉じにくいと気づいた時点で、すぐに医療機関を受診するのがベストです。発症から72時間以内に治療を始めるかどうかで、予後が大きく変わります。脳疾患が原因となっている可能性もあるため、少しでも違和感を覚えたら「様子を見る」ではなく、専門医に相談しましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
中尾先生
顔面神経麻痺は、発症から治療までのスピードが回復の鍵を握ります。症状に気づいたら、できるだけ早く医療機関を受診してください。適切な治療によって多くの人は改善しますが、残念ながら一部では後遺症があることもあります。その場合、形成外科での外科的治療が選択肢となります。正確な診断や最適な治療を受けるためにも、経験豊富な専門医の診察を受けることを強くおすすめします。
編集部まとめ
顔面神経麻痺は生活に支障をきたすケースもあるので、早期対応が重要とのことでした。年間、人口10万人あたり50人ほど発症し、2割以上に後遺症があるという報告もあります。違和感を覚えたら、迷わず受診するよう心がけましょう。

