由美さんは、夫の聖也さんと1歳半になる娘・こころちゃんとの3人暮らし。現在、第二子を妊娠中です。夫は自分を「気配りじょうず」だと思っていて、育児には積極的に参加してくれますが、娘の安全をあまり考えてない夫のやり方に、意見してしまうことも……。娘のお世話をお願いしても、ヒヤッとする場面がしばしば。そのつど由美さんが夫を責め、険悪な雰囲気になってしまいます。
ある日、由美さんは気配りじょうずな夫を持つ友人のミズキさんから家族ぐるみの交流を提案され、夫と一緒に行くことに。しかし到着早々夫は失言して、ノンデリだとミズキさんから指摘されてしまいました。そこでミズキさんの夫・コウさんの行動を夫がまねしたところ、みんなから褒められて有頂天に。
調子に乗って娘の髪も結び直した夫でしたが、結果は散々。しかし、ママ友から「超素敵! これからも結んであげなよ」とエールを送られ、妻の由美さんからも笑顔で感謝されたのでした。
「俺が……超素敵……!?」
「これからも結んじゃおっかな?」
ミズキさんたちに褒められて自信を持った夫は、調子に乗って見せました。
「めっちゃいいよ! こころもうれしそうだよ」
「ありがとう、パパ」
妻に感謝され、久しぶりに感じる心地よさに、夫はハッとしたようです。
初心を取り戻した夫








最近の夫は承認欲求を満たすことに夢中で、相手に喜んでもらえることのうれしさを忘れていました。
「初心の気持ちを忘れちゃってたんだ……」
そこで夫は、当分の間コウさんを見習った気配りを頑張ることにしました。
それからしばらくたったある日のこと、夫は同僚から声をかけられます。以前「俺って気が利くよな!」と言ったとき、「何それ新ギャグ?」と、冗談だと捉えて笑ってきた同僚です。
「……今一瞬、話せる?」
気配りじょうずではないと指摘してきた相手からの突然の声かけに、夫は思わずドキリ……。また何か指摘されるのではないかと身構えましたが、同僚は「最近すごく気が利くよね!」と、褒めてくれたのでした。
◇ ◇ ◇
「気配りじょうず」と認められたい気持ちが先走っていた夫が、妻の「ありがとう」というひと言をきっかけに、相手に喜んでもらえることのうれしさを思い出せたようです。
そして、コウさんのまねをして相手が求める「気配り」を地道に続けた夫。その行動の変化は、きちんと周りに伝わるもの。同僚からの「最近すごく気が利くよね」という言葉が、そのことを証明してくれましたね。
ひとりよがりな気配りではなく、相手が本当に喜ぶことを意識して行動することこそが、真の「気配りじょうず」への近道なのかもしれませんね。
著者:マンガ家・イラストレーター ミント

