石井さんはたびたび、自身の生い立ちを動画や本の中で綴っています。エリートだった子ども時代、いじられキャラだった中高生時代、そしてお笑いをやるために進学した大学時代……。現在の彼を形作ったという、紆余曲折の人生模様を語ってもらいました。

6時に起床し、登園前に2時間勉強していた幼稚園時代
――石井さんがお笑い芸人を志したきっかけは何だったのですか?
「いちばん初めに意識したのは小学生くらいの時ですね。当時の僕はすごく優等生で、賢い側の人間だったので、友達がふざけている中に入っていけなかったんです。その窮屈さからお笑いの柔和な空気に惹かれたんじゃないかと思います」(シドニー石井さん、以下「」内同)
――テレビ番組を見て、というわけではなかったのですね。
「僕はテレビでお笑いを見たことがほとんどなかったんです。すごく厳しい家庭で育ったので、見ることができなかった。完全に実体験の部分から憧れを抱いたんですよ」
――テレビを見てはいけない……教育熱心なご家庭だったのですか?
「幼稚園の頃は6時に起きて登園する前に2時間くらい勉強してたんですよ。その当時は自覚がなかったのですが、後から思うとなかなか……うちのお母さん、教育ママすぎますよね(笑)」
周りに天才と言われたけど、“普通”だと思っていた
――石井さん、幼稚園児ですよね?!めちゃくちゃ厳しいスケジューリング……。「僕からすると特に比較対象がないので、どのお家もそんなものだと思っていました。僕には普通のことだから頑張っているという気もない。年長さんの頃には九九が全部言えるようにはなっていました。小学校に上がっても、授業でわからないことを新たに知るという感覚がなかったんですよ。でも、周りはわからなそうにしてるから、何でかな? って」
――それっていわゆる神童じゃないですか。「言われていましたね、天才って(笑)。でも、これって僕が地元の公立に進んだせいもあると思うんですよね。姉は小学校から私立に通っていたから、彼女は周りも自分と同じレベルの子どもがいるような環境だったんです」

