弟に関する、弟の妻・さとみさんからの相談は深刻になっていくばかり。体調不良を「仮病」呼ばわりされ、「精神病のくせに」という言葉の暴力など、モラハラはエスカレートの一途を辿っています。弟を止められない自分に無力感を抱くみちるは、夫に全てを打ち明け、専門家の助けを借りる決意を固めます。
深刻になる義妹の悩み
さとみさんからの連絡は途切れることがなく、それどころかより深刻なものになっていきました。会うたびに彼女は目に見えてやつれ、顔色も悪く、常に不安そうな表情を浮かべています。
「みちるさん、本当に、もうどうしたらいいか分からなくて…」
そう言って、せきを切ったように泣きながら、弟にされたつらいことを話すのです。
「朝、体調が悪くて起き上がれない時にも『仮病だ』とののしられて…」
「ちょっと意見を言うと『頭がおかしい』とか『精神病のくせに』って言われて…もう私はいない方がいいのかなって思うこともあって…」
聞くに堪えないほどひどい言葉の数々に、まさかそれを口から放っているのが自分の肉親だと認識すると気が遠くなりそうでした。
「何とかしなければ」わかっているのに
話を聞く限り、弟がしていることは完全なる「モラハラ」。例えばさとみさんに自由になるお金を一切与えず、全ての出費を細かくチェックするなどしていました。さとみさんの尊厳や人格を否定することもしょっちゅう言っています。
言葉一つ一つが、さとみさんの心を削り取っているのが分かりました。彼女の目には光がなく、ただひたすら恐怖と疲労に支配されている様子でした。
私は何度もスマホの電話帳で弟の番号を開き、モラハラを指摘しようと考えました。でも、どうしても発信できませんでした。きっと、りょうたの怒りの矛先が、さとみさんからわたし自身、あるいはわたしの家族に向けられるのが怖いのです。そんな自分のずるさにも嫌気がさしました。
他の姉妹たちもりょうたを恐れていて、意見できる人はいません。長女という立場もあり、妹たちに相談することは躊躇ってしまいました。

