料理が得意な人と、そうでない人、いったいなにが違うのでしょうか。 たとえばレシピ本を読んで、動画を見て、何度試しても「なんか違う」が続く理由はなんなのでしょう。
イラストレーター・漫画家の池田暁子(イケキョー)さんが長年抱えてきたその疑問に、真正面から向き合った本書には、山本ゆりさん・藤井恵さん・笠原将弘さん・長谷川あかりさんといった8名の「料理上手」な方々の、それぞれの試行錯誤の末にたどりついた秘訣が掲載されています。
今回はその中でも、長谷川あかりさんのお話を少しだけご紹介。
「趣味として楽しむための料理」と「日々の生活のための料理」の交通整理
料理家界の超新星 長谷川あかりさんのレシピといえば、シンプルで作りやすいのに、食材の組み合わせにひねりがきいているなど独自の作風が魅力的。池田さんが、今の作風にたどり着いた経緯についてお話をうかがいます。
芸能活動をしていた高校生のころに料理にハマり、レシピ本に掲載されている「名前のある料理」に片っ端から挑戦。ところが、結婚して食事を作ることがルーティン化すると「料理好きじゃないかも」と思いはじめます。
そこで、長谷川さんが好きだった料理は、かつて昭和の時代などには「家事」だったかもしれないけれど、今はやりたくても時間が足りないため「趣味」の範疇だということに気づきました。
現代においていわれる「家庭料理」は、「趣味として楽しむための料理」と「日々の生活のための料理」が一緒くたになってしまっているがために、理想は高く、けれど時間はなく、混乱している方も多いのではないか、と考え「もっと整理したい」と感じたそうです。
その思いは強く、料理家を志していた当時、長谷川さんが初めて師事したスープ作家の有賀薫さんのアシスタント応募の際も、エントリーシートに「家庭料理というものを再定義したい」と書かれたとのこと。
なお、クックパッドでは料理初心者からプロまで幅広くファンを持つ有賀薫さんのオンラインスクールを開講しています。クックパッドニュースにも、前回開催時のレポートを公開中です!
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令和の生活になじむ家庭料理を考えた末、まず削ったのは1皿あたりの食材の数。長谷川さんはメイン料理に食材は2つしか使わないそう。
野菜を「いも類・根菜」「緑黄色野菜」「淡色野菜」の3つに分け、メインで使用した野菜とは異なるグループの野菜を使ってもう1品作るなどすれば、栄養も偏りにくくなります。
そうすることでよかった変化は
食材が半端に余りにくくなり、管理が楽になった 下ごしらえの時間が減った 火の通り方をそろえる心配が減ったことで調理も楽になったなど。
結果、料理の愛おしい部分を大事にする余裕ができたそうです!
ほかにも、効果を実感しづらい手間を省くといった工夫も実践。たとえばもやしのひげ根は取り除いたほうが料理がおいしくなるといわれていますが、長谷川さんは、普段は手間を考えて取りません。
ですが、もやし炒めの際はこのひと手間によっておいしさがより引き出されるのを感じ、取ると決めているそうです。
無駄を省いただけでは長谷川さんのレシピは生まれません。独自のセンスによる取捨選択と献立の決め方が、その魅力を際立たせています。では、そのセンスはいったいどこから生まれたのでしょうか……?
その答えは、『料理上手の頭ん中のぞいてみました!』の中で明かされています。ほかにも、レシピを見ても「いまいち思いどおりに作れない」と感じている方のヒントになるような秘訣がたくさん!
料理に引け目を感じていた過去を克服して描かれた本書
これまで料理だけでなく貯金や片づけなど、いくつか苦手を克服してその体験談をハウツーエッセイにしてきた池田さんが、特に克服するのに時間がかかったという「料理」と向き合って完成したのが本書。
レシピを見ながら作ることはできるのに、毎日の食事を回すのは難しい 世の中にある膨大なレシピの中からどれを見ればいいのかわからない レシピを見て作った料理があまりおいしくなかったとき、レシピと自身の技量とどちらに原因があるのかわからないといった、さまざまな悩みから料理そのものになんとなく引け目を感じてしまっていた過去を克服し、「素直にお話をうかがえるようになった」というタイミングで、多くのメディアで引っ張りだこの「料理上手」な方々をゲストに迎え、お話をうかがいました。
▼『cookpad plus』最新号
▼『料理上手の頭ん中のぞいてみました!』
著者紹介
池田暁子(いけだ きょうこ)
1969年、愛媛県出身。イラストレーター・マンガ家。愛媛県立松山東高等学校・神戸大学教育学部教育学科卒業、筑波大学芸術専門学群中退、セツ・モードセミナー修了。編集プロダクション・デザインプロダクションなどで雑誌、広告、書籍、HP等の制作に携わり、2002年よりフリーに。おもな作品に『片づけられない女のための こんどこそ!片づける技術』『貯められない女のための こんどこそ!貯める技術』『人生モグラたたき!』(文藝春秋)、『必要なものがスグに!とり出せる整理術! 』『1日が見えてラクになる!時間整理術!』(メディアファクトリー)、『思ってたウツとちがう!「新型ウツ」うちの夫の場合』(秋田書店)、『池田暁子の必要十分料理』(トランスビュー)などがある。

