
「後ろ、後ろ!」とは、バラエティ番組「8時だョ!全員集合」のコントで繰り広げられた一幕である。背後に幽霊がいるのに気づかない(フリをする)演者に対し、観客からツッコミが入るお約束の展開だ。今回紹介する森本大百科(@mdaihyakka)さんの漫画「留守番電話」も、まさに「後ろ、後ろ!」と叫ばずにはいられない作品である。



森本大百科さんは、大阪よしもとで活動中のピン芸人だ。YouTubeチャンネル「入ってはいけない研究室」を配信しているほか、以前は漫画「カバチタレ!」(東風孝広さん作画)のアシスタント経験もあるなど、お笑い芸人にとどまらず多方面で才能を開花させている。以前ウォーカープラスで配信した、SNSの誹謗中傷をテーマにした作品「炎上」が注目を集めたことも記憶に新しい。本作は、蒸し暑い夜にふさわしい鳥肌ものの密室の恐怖を描いた短編だ。
■呑気な口調のメッセージに潜む違和感
物語は、女性がスーパーでの買い物から帰宅した場面から始まる。部屋に入ると、留守番電話が点滅していることに気づく。再生ボタンを押すと、宅配業者からのメッセージが残されていた。どうやら、買い物に出かけている数十分の間に荷物が届いてしまったらしい。
本来ならば「不在のため持ち帰ります」といったメッセージが残されるはずだが、相手の声は「どうしましょうかねー」と随分と呑気な口調だ。女性がふと違和感を覚えた直後、「中身がお皿なので、キッチンに置いておきますねー」というあり得ないメッセージが流れ、思わず鳥肌が立つ。
■安心できるはずの自宅が恐怖の空間に
メッセージを聞いた瞬間、「持ち主の宅配物を勝手に開けて見たのか」「そもそもキッチンに置いておくとは、不法侵入ではないか」など、読者の頭の中にもさまざまな考察が駆け巡り、パニックになること間違いなしだ。
自宅というプライベートな空間は、本来であれば最も安心できる唯一の場所である。それなのに、この見知らぬ宅配業者は今どこにいるのだろうか。オチで思わず「後ろ、後ろ!」と叫び出したくなる、背筋が凍るラストをぜひ自身の目で確かめてほしい。
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