これは、息子が3歳のときのお話です。ある日、幼稚園で同じクラスのママたち数人とランチに行くことになりました。入園してすぐに誘ってもらったこともあり、これを機にママたちのことを知れたらと思っていたのですが、とんでもない修羅場が待っていたのです……。
楽しいママ友ランチ会が修羅場に!
息子が幼稚園に入園して間もないころ、同じクラスのママ友5人でランチ会をしました。お互いまだ馴染みが薄かったのですが、その中で明るく、はきはきした感じのAさんが「困ったことがあれば何でも聞いてね」と場を仕切り始めました。Aさんは、上の子どもが同じ幼稚園に通っていたこともあり、園のことには詳しい自称・情報通といいます。
Aさんは「ここは行事が多いから、保護者は少し大変かもね」とか「私たちのクラス担任は、子どもからも親からも評判がいいよ。そこは安心だよね」などと話し、ママたちは頷きながら聞き入っていました。
食事も一通り終え、場が和んできたころ、Aさんが「じゃあ、とっておきの話を披露するね」と切り出しました。そして、声を潜めて「ねえ、同じクラスのBくんママのこと知ってるでしょ。ここだけの話なんだけど、実は旦那さんが不倫してるらしくて、家の中がボロボロなんだって」と明かしたのです。私はBくんママとは度々話をしていただけに、思わず「えー、うそー」と声を上げてしまいました。あまりにセンシティブな内容に、その場にいた全員が固まります。私が「それって、本当なんですか?」聞くと、Aさんは得意げに「本当も何も、これ、本人から聞いた確かな話だから」と続けたのです。ママたちは言葉が出ず、互いに顔を見合わせています。
そのときです。席を仕切ってあったすだれが勢いよく開けられました。全員が目を向けると、そこにはBくんママの姿が。お店は、すだれで仕切る半個室スタイルだったので、誰も隣の席にいたBくんママの存在に気づいていませんでした。今話題にした人物の登場に、Aさんは顔を真っ青にして絶句しています。
Bくんママは冷ややかな声で、「勝手な作り話で人の家庭を壊さないでくれる?」とAさんに抗議。そして「そもそも、不倫の話……先週私とランチしたときは、今ここにいる『Cさんの旦那さんの話』として私に話したよね?」と暴露したのです。突然名前を出されたCさんは驚きで目を見開き、「うちの旦那が不倫……!?」とあまりのショックに泣き出してしまいます。
ママたちは、一転してAさんに拒絶反応。「Aさん、どういうこと?」「ひどいじゃない、全部嘘なの?」「よそでペラペラ話されるのかと思うと、もう何も話せない」などと声を上げ迫ります。Aさんは硬直したまま。嘘を使い回していたことがバレて、言い訳一つできません。そのまま逃げるように店を出て行きました。
この騒動のあと、突然名前を出されたCさんは旦那さんの不倫を問いただしたそう。しかし全くの事実無根でした。Aさんは、どこかで聞きかじった出所不明のトラブル話を、身近なママ友の名前にすり替えて面白おかしく話していただけだったのです。
後日、彼女の上の子と同じクラスだったという別のママ友から、彼女の過去についての話を聞く機会がありました。その人によると、Aさんは上の子のときから全く同じように、出所不明の噂話をあちこちで流しては度々トラブルを起こしていたそうです。本人が直接意図を語ったわけではありませんが、彼女は昔から「情報の中心にいる特別な存在」として周囲の注目を浴び、ママ友グループの中で常に優位に立ちたかったのではないかと思います。そんな話もすぐに広まり、Aさんは幼稚園で完全に孤立してしまいました。
一方で、残された私たちは、安易に噂話を信じることの恐ろしさを身に染みて学んだため、表面的な噂話に流されない、誠実で程よい距離感を保った心地よい付き合いが続いています。
本人がいない所で、おもしろおかしく噂話をするのももちろん悪いことですが、ましてやそれが嘘となると、問題はもっと深刻だと思います。根拠のない噂話に対し、簡単に信じたり同調したりせず、信頼できる人たちと誠実な付き合いを続けていかなければ、と心に刻んだ出来事でした。
著者:立川りか/30代・ライター。7歳の息子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)

