
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの問題に対し、「昔なら普通のことだった」「騒ぎすぎだ」という声がいまだに聞かれることがある。しかし、ハラスメントは決して容認されるべきではない。もし、された側が徹底的な反撃に出たらどうなるだろうか。2026年6月現在、SNS上で「スカッとした」「千倍返しで最高だ」と絶賛される一方、「やりすぎではないか」という議論も巻き起こっているのが、漫画家・伊東(@ito_44_3)さんの創作5コマ漫画「秘技・セクハラ殺し」だ。
X(旧Twitter)上で毎日5コマ漫画を投稿し、数々の“万バズ”ヒット作を生み出し続けている伊東さん。今回は、下心を見せる上司に強烈なブーメランをお見舞いした本作の展開と、読者の間で起きた論争について、作者のコメントを交えて紹介する。
■「大丈夫そ?」とニヤつく上司。部下が放った出張前日の衝撃的な「予定変更」



物語は、上司と出張に行く前日のオフィスから始まる。「明日の出張だけどホテルの取り方間違えちゃって、シングル2つじゃなくて、ツインで予約されてて……」と切り出す上司。その顔には明らかな下心が透けて見えるニヤつきがあり、「大丈夫そ?」と部下の女性に問いかける。
含みのある言い方に対して、部下は冷静に「気にしないでください」と返す。安堵したのも束の間、部下は「私もスケジュールを間違えちゃって、そもそも明日の出張には一緒に行けなくなったので」と言い放つ。上司が「え!?」と驚く間もなく、さらに仕返しとばかりに、次々と仕事上の重大なミスや変更を報告され、上司は「は!?」「な!?」と完全に絶句してしまう。1コマ目のニヤついた表情と、5コマ目で奈落の底に落とされた表情の落差が、本作の大きな見どころだ。
■「ザマァない」のつもりがまさかの論争に。セクハラ撲滅への変わらぬ信念
このあまりにも容赦のない反撃劇に対し、読者からは勧善懲悪の爽快感を評価する声が集まる一方で、仕事のミスを人質に取ったかのような手法に「一体どちらが悪者なのかわからない」「オーバーキル(やりすぎ)だ」という声も届き、ネット上では論争へと発展した。
この反響について、伊東さんは「私としては『ザマァない』のつもりで描いたのですが、人によってはオーバーキルだとも感じるようですね。読者からの『納品ミス云々は嘘で、実は先方と結託しあって叱ってもらうつもりでは?』という考察コメントには、なるほどと思いました」と振り返る。読者の捉え方によって作品の受け止め方が変わる点に面白さを感じつつも、伊東さんは「いずれにせよ、セクハラは撲滅すべきという考えは変わりません」と断言する。
日々のトレンドや社会の解像度を巧みに切り取る伊東さんの5コマ漫画は、現在Kindleにて無料のまとめ本として公開されており、描き下ろし作品も読むことができる。「日頃のいいね・RTのおかげでモチベーションが保てます。今後も毎日更新を頑張っていきたいです」と語る伊東さん。ハラスメントに対する毅然とした態度の大切さを、ユーモアとともに届ける彼の挑戦はこれからも続く。
取材協力:伊東(@ito_44_3)
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