「誰なの…?」面会制限の果てに見た祖母の変化。コロナ禍が奪った温もり【体験談】

「誰なの…?」面会制限の果てに見た祖母の変化。コロナ禍が奪った温もり【体験談】

久しぶりに直接対面すると

新型コロナが5類に移行してからしばらくして、直接面会できるようになったという手紙が届きました。いくつか制限は残っていましたが、それを守って面会に臨んだ母。面会は2人までOKだったので私も一緒に行ったのですが、久しぶりに会った祖母の口から出た言葉は「あなたたち、誰?」でした。

面会は1階の会議室でおこなわれるのですが、スタッフさんが連れて来てくれたときから終始うつむきがちだった祖母。元々あまりたくさん話すタイプの人ではありませんでしたが、相づちも返答もほとんどなく、何かを聞いても理解しているかどうかすら疑わしい反応が続きました。それでも、途中で母だけはかろうじて認識できたようですが、最後まで私はわからないようでした。

その後、母はまた毎週面会に行くようになりましたが、やはり認知症の症状には波があるようです。母が認識できる日もあれば認識できない日もあり、反応がある日もあればほとんどない日もある、何かを差し入れしても、それが何かわかる日もあれば大好物でさえわからない日もあったり。毎回「今日は症状がひどい日かもしれない」と覚悟して行くそうですが、やはり症状のひどかった日はどっと疲れが出ると母は言っています。

まとめ

元々認知症が進んでいたこともあり、いつかは面会に行っても「誰?」と聞かれる日が来るだろうと、覚悟はしていたつもりでした。特に、コロナ禍で面会が満足にできなくなり、年単位で会えなかったり、ビニール越しの面会のときの話も聞いていたので、覚悟はしていたはずですが、やはり、面と向かってわからないと言われるのはとてもつらかったです。

私以上に母はショックを受けており、帰りの車の中で泣いていました。今も母は面会を続けていますが、やはり精神的な負担はとても大きいようです。面会のある日はなるべくその後母と話す時間を増やすなどして、少しでも寄り添っていきたいと思います。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。

著者:大沢麻衣/30代女性・主婦

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
※一部、AI生成画像を使用しています。

著者/シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!

配信元: 介護カレンダー

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