「咳が出る」と一口にいっても、さまざまな症状があり、痰が出る、熱もある、喉に痛みがあるなどの違いによってある程度、疾患の鑑別ができることもあります。そこで、宮澤内科・呼吸器クリニックの能美先生に疾患の違いによる咳のタイプについて、話を聞きました。

監修医師:
能美 詩穂(宮澤内科・呼吸器クリニック)
聖マリアンナ医科大学卒業、昭和大学藤が丘病院(現・昭和医科大学藤が丘病院)呼吸器内科勤務。獨協医科大学埼玉医療センター呼吸器・アレルギー内科での勤務を経て、現在は宮澤内科呼吸器クリニックで月曜日午前と水曜日に勤務中。
編集部
なぜ、咳が出るのですか?
能美先生
咳や痰は、体内に侵入したウイルスや細菌、ほこりなどの異物を体から追い出すために自然と起こる防御反応です。「自分はあまり痰が出ない」という人でも、気づかないうちに痰が出て飲み込んでいることは少なくありません。
編集部
咳でもゴホゴホというものやコンコンというものなど、いろいろな種類がありますよね。
能美先生
はい、咳は大きく分けて以下の2つに分類されます。乾性咳嗽(かんせいがいそう):コンコン、ケンケンなどの乾いた咳のこと
湿性咳嗽(しっせいがいそう):ゴホゴホ、ゲホゲホなどの湿った咳のこと
これらは痰が絡んでいるか、いないかの違いがあります。痰が絡むと湿性、絡まないと乾性になります。
編集部
それぞれどのような原因があるのですか?
能美先生
乾いた咳が起きるのは、アトピー咳嗽、気管支喘息、胃食道逆流症などが原因となることが多いですね。そのほか、マイコプラズマ肺炎や間質性肺炎などで見られることもあります。一方、湿った咳が出るのはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)や肺気腫、気管支拡張症、肺結核などで起きることがあります。
編集部
どのような咳が出るかだけで、疾患を鑑別することはできるのですか?
能美先生
いいえ。健康な人でも急にほこりを吸い込んだときや香りにむせたときなどに咳が出ることもあり、咳だけではなかなか疾患を鑑別することはできません。また、風邪やインフルエンザにかかったときは、初期には乾いた咳が出て、次第に湿った咳になっていくというように、病期によって変化するものもあります。そのため咳だけでなく、ほかの症状や所見を考慮しながら鑑別することが必要です。
※この記事はメディカルドックにて<咳のタイプ別診断 痰・熱・喉の痛みの「あり」「なし」でわかる病気の違い【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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