近年、再生医療の中でもPRP療法(自己多血小板血漿療法)が注目を集めています。特に膝の痛みに対しては効果が長持ちするという声も聞かれますが、具体的な治療方法やなぜ効果的なのか詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。今回は、PRP療法の基本について、つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック院長の中谷創医師に詳しく解説していただきました。

監修医師:
中谷 創(つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック)
2007年6月自衛隊中央病院 整形外科、習志野駐屯地医務室
2009年8月防衛医科大学校病院整形外科、埼玉社会保険病院 整形外科
2012年10月防衛医科大学校 医学研究科(大学院)
2016年10月 自衛隊札幌病院 整形外科部長
2018年8月自衛隊中央病院 整形外科医長、自衛隊体育学校 医官
2022年12月 つくる整形外科 開院
編集部
PRP療法(自己多血小板血漿療法)とは一般的に何を目的とした治療ですか?
中谷先生
PRP療法とは、患者さん自身の血液から抽出した血小板や血しょうに含まれる成長因子などの成分を利用し、組織の修復を促す治療です。近年では「再生医療」として注目され、劇的な改善が期待されがちですが、実際は完全に元通りにするというより、炎症や痛みを和らげ、ある程度の組織の修復を助けることが目的です。特に膝関節においては、痛みの原因となるタンパク質のアンバランスを整えることで、炎症や痛みのコントロールに効果を発揮します。
編集部
PRP療法が効果を発揮する機序を教えてください。
中谷先生
血小板には、組織の修復を促進する「成長因子」が多く含まれています。これを患部に注入することで、損傷を受けた組織や細胞の回復が期待されます。また、血しょう中には炎症を抑える働きのあるタンパク質も存在しており、炎症の軽減と組織修復が相乗的に進むと考えられています。PRP療法は、こうした自然治癒力を補助する形で痛みの軽減と回復を目指す治療法です。
編集部
PRP療法とは、どのような方法でおこなわれる治療ですか?
中谷先生
PRP療法では、まず患者さん自身の血液を採取します。採取量は使用するキットや処理方法により異なり、15cc程度の少量から100cc程度まで様々です。採取した血液は遠心分離機という機械にかけて成分を分離し、血小板と血しょうを抽出して患部へ注射します。一部では、あらかじめ多量に採血しフリーズドライ(冷凍)にして保存し、必要なタイミングで使用する方法もありますが、これはごく一部のケースであり、一般的には治療のたびに採血・処置がおこなわれます。
※この記事はメディカルドックにて<長引く膝の痛みに朗報? PRP療法(自己多血小板血漿療法)の効果を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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