毒親のもとで育ったツキミさん・ハナミさん姉妹。姉・ツキミさんは容姿を貶され、虐待を受けて育った一方、妹・ハナミさんは親のお気に入りとしてかわいがられて大人になりました。
しかし、大人になったハナミさんに両親が求めたのは、家業のための「跡取りを産むこと」でした。半ば強制的に始まった不妊治療はなかなか結果につながらず、心身を削られる日々のなかで、ハナミさんは少しずつ余裕を失っていきます。
そんなハナミさんに追い打ちをかけたのは、実母から聞かされた、姉・ツキミさんが“子どもを持たない”という選択をしている事実でした。実母は、ツキミさんの選択を「不妊治療中のハナミさんへの当てつけだ」と言います。
その言葉を信じ込んでしまったハナミさんは、嫉妬と怒りを抑えきれなくなり、ツキミさんにひどい言葉をぶつけて連絡を絶ってしまいました。
しかし、心のどこかでは、それが八つ当たりだとわかっていたハナミさん。罪悪感に押しつぶされ、心身ともに限界に……。夫・咲也さんの助けもあり、“親のため”の不妊治療はやめ、実家から遠い場所で再スタートを切りました。
その後、カウンセリングに通いながら、少しずつ穏やかで充実した日々を取り戻していったハナミさん。やがて心境にも変化が生まれ、妊娠と出産を経験。かわいいわが子を慈しむほどに、幼いころの記憶がよみがえるようになりました。
しかしハナミさんの頭をよぎるのは、ずっと連絡を絶っていた姉・ツキミさんのこと。関係修復のため、勇気を出して連絡したハナミさんを、ツキミさんはあたたかく受け入れてくれました。
両親から受けていた呪縛から解き放たれた姉妹は、かつてのような絆を取り戻し、笑顔を交わすことができたのでした。
誰からも縛られない人生へ











ハナミさんの姿に、ツキミさんもホッと胸をなでおろします。
訳あって「子どもを持たない」選択をしたツキミさん夫妻ですが、いつか子どもへの苦手意識を克服できたとき、ハナミさんの子どもを交えてみんなで集まれる日を、心から願うのでした。
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親から植え付けられた呪縛を断ち切り、ようやく自分たちの人生を歩み始めたツキミさんとハナミさん。2人の姿は、「親のため」「家業のため」ではなく、「自分自身の幸せのために生きること」の大切さを改めて教えてくれますね。
親の価値観に縛られて自分をすり減らす必要はありません。時には勇気を持って距離を置き、自分の心と幸せを最優先に守ることが、自分らしい一歩を踏み出すために必要なことなのかもしれません。
著者:マンガ家・イラストレーター 尾持トモ

