
堤真一が主演を務める日曜劇場「GIFT」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第10話が6月14日に放送され、最終回を迎えた。日本一という答えを出そうとしていた伍鉄(堤)だが、チームのエースが亡くなるという悲劇で、最大の難問に直面するという展開になった。(以下、ネタバレを含みます)
■天才宇宙物理学者と車いすラグビーの弱小チームが繰り広げる絆と再生の物語
完全オリジナルストーリーとなる本作は、パラスポーツである車いすラグビーを舞台に、弱小チームに立ちはだかる難問の答えを導き出しながら、本気で心と身体をぶつけ合うことで仲間、家族の大切さ、そして愛を知っていく物語。
堤が演じるのは、天才“過ぎる”頭脳を持った宇宙物理学者の伍鉄文人。その伍鉄が出会う車いすラグビーチーム「ブレイズブルズ」(以下、ブルズ)の孤高のエース・宮下涼を山田裕貴、取材をきっかけにブルズと関わっていく雑誌記者・霧山人香を有村架純、バイク事故で車いす生活を送ることになった朝谷圭二郎を本田響矢が務める。
また、ブルズのライバルチーム「シャークヘッド」(以下、シャーク)のエース・谷口聡一役で細田佳央太、伍鉄の従姉妹でブルズのヘッドコーチ・日野雅美役で吉瀬美智子、シャークヘッドのコーチ・国見明保役で安田顕、音楽に挫折した過去を持つ伍鉄の息子・坂本昊役で玉森裕太、昊の母でアート作家の坂本広江役で山口智子が出演。
■コーチとして責任を問われる伍鉄
第一章完結となった第5話のラストに流れた人香のモノローグ。「この日、ここからブルズは生まれ変わることになる。だけど、このときの私たちは、まだ知らない。あの人がいなくなることを」。その“あの人”が誰なのか、視聴者がざわつき、SNSに上がった予想の多くは伍鉄だった。
しかし、本当にいなくなってしまったのは涼。試合で無理をさせたとして世間は責任を問う声であふれ、大会本部は緊急会議を開いて不戦勝でシャークを優勝とする方向で話が進んでいた。
そこで伍鉄は、自分の判断が取り返しのつかない結果を招いたと詫びるが、「ただ、止めなかったこと、正しかったと思っています」と続けた。日本選手権で勝ちたいと誰よりも願った涼。長く低迷していた彼が、「ようやく生まれ変わって」、今のブルズの仲間たちと戦うことが「楽しい」と言ったのだ。そんな彼と共に戦った仲間から「戦うことを奪わないでください」と頭を下げた伍鉄。
そのタイミングで、伍鉄を追い込む記事が出てしまう。日本車いすラグビー協会の理事長・柳原(櫻井翔)は、さらなる影響を鑑みて不戦勝にしようとする。だが国見が、伍鉄の指導者としての責任は重大だとしつつも、「ここでブルズに辞退を迫るのはフェアではありません」と発言。涼のことを知る国見は、競技を通して自分の人生を証明しようとした涼の“意思”を思いやったのだ。
柳原は、伍鉄を辞めさせ、ブルズとシャークの決勝を行う決断をした。
■あらためて知る涼の思い…ブルズの結束が強まる
翌日に延期された決勝戦。ブルズの控室は沈鬱な空気が漂い、「棄権したほうが」という意見とキャサリン(円井わん)の「そんなことしたら涼の最後をむだにすることになるでしょ」という言葉に揺れていた。
それを打破したのが、涼のことをリスペクトしていた“BT”こと坂東拓也(越山敬達)と圭二郎だ。BTは「僕は行く。とっても怖いけど」と言いながらもコートに向かおうとし、圭二郎は「あいつ(涼)はコートで待ってんだよ。一緒に戦いたいやつだけ来い」と選手たちを奮い立たせた。
さらに試合が始まる直前、1本の記事がネットに上がった。書いたのは人香だ。涼の両親に頼まれ、ブルズが大好きだった涼の思いをつづった。それにより、いっそうブルズのメンバーの士気が高まった。
■「一緒にいてくれるだけでいいんだよ」とつぶやいた伍鉄
「一人じゃねぇ。みんなで行くんだよ。おれたちは」と圭二郎が発したように、ブルズはみんなの力で試合を進め、強豪であるシャークと接戦を繰り広げた。
そのころ、伍鉄はというと、シャーク戦の戦略を練り、弱みを見つけていた。試合に出ることを禁じられていた伍鉄は昊にそのメモを届けるように言うが、昊は伍鉄を会場に連れ出した。
次第に劣勢になっていくブルズ。国見は「力は認めるが、柱がいないからな。柱のいないチームほど、崩れだすと早いぞ」とつぶやいた。“柱”だった涼も、選手たちを動かす戦略が冴え渡っていた伍鉄もいないのだ。
そこに伍鉄が現れた。当初、会場入りを阻止された伍鉄だったが、国見が発起人となった、伍鉄をベンチ入りさせる嘆願書が寄せられ、柳原が認めたのだ。
会場には、昊が完成させたブルズの応援歌が流れ、選手たちを鼓舞。そして伍鉄が見つけ出した戦略を実践し、巻き返しを図る圭二郎たち。
かつて涼は伍鉄に向かって「みんなで、あなたと一緒に答えを出すんですよね?」と言った。その涼の思いが圭二郎やBT、立川(細田善彦)たちに浸透していた。涼と親友にもなった伍鉄が見つめる先には、選手たちに重なる涼の姿があった。「一緒にいてくれるだけでいいんだよ」とつぶやく伍鉄。そして、涼に憧れていた敵チームの谷口にも圭二郎に重なる涼の姿が見え、「ずっといたんだ」と笑みを浮かべた。
ブルズは惜しくも負けたが、確かに涼の魂はコートにあり、選手たちに宿っていた。ドラマ的演出により、圭二郎や谷口たちにどれだけ涼という存在が大きなもので、熱い思いが引き継がれていくことになるのかが可視化され、心が震えた。
ラストでは、ブルズに新しいメンバーも入り、涼が目指した日本一という“答え”に再び挑んでいく様子が映し出された。伍鉄は「問題がないのは、いささかおもしろくないですねぇ」と口にしたが、涼やブルズのメンバーという“ギフト”をもらい、もう孤独ではない道を歩み出していた。
視聴者からは「涼くんに生きててほしかった」と惜しむ声がありつつ、「毎週の1話ずつが私へのギフトでした」「宇宙は偶然という名の奇跡であふれてる この伍鉄さんの言葉に心つかまれた」「毎話泣いていたけど一番泣いた最終回でした」「涼くんの言葉や姿がみんなの中にあって、チームの力が上がっていって、みんなが素敵だった」などの反響が寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

