
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『ひまわりの君と、金平糖のあなた。』を紹介する。サイト「ピッコマ」で連載中の漫画『或る契約夫婦の結婚カルテ』(アイプロダクション刊)でも知られる作者の詩野さんが、5月11日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、多数の「いいね」やコメントが寄せられた。本記事では、詩野さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■本当の自分を見られない男が結婚を決めた理由

憲兵中尉の黒川陽太は、仕事ぶりから部下にも恐れられている。感情が表に出にくく、淡々と仕事をこなすように見える陽太。実際は、臆病で暴力が苦手などギャップのある人物だが、同僚にはそれを理解されていない。
ある日、同僚に「奥さんは不憫だよ」と言われた陽太。その言葉が胸に刺さったまま帰宅すると、妻・日那子が出迎える。日那子は陽太の元気がないことを見抜き、彼に金平糖を食べさせた。自分の本心を見抜いた日那子を前に、陽太は彼女と結婚した理由を思い出し…。
このあまりにも愛らしい夫婦の物語を読んだ人たちからは、「芸の細かさを感じるラブロマンス」「どストライクすぎる」「夫婦でほんわかしていて好き」など、多くのコメントが寄せられている。
■「陽太さんのわずかな心の揺らぎを機敏に感じ取ったり鋭い一面もあります」作者・詩野さんに漫画創作へのこだわりをインタビュー

――『ひまわりの君と、金平糖のあなた。』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
本作は漫画賞に応募するために描いた作品です。制作するにあたり、好きな「軍人・夫婦」の物語にすることは決めていました。自分の一次創作のキャラをモチーフにした朗らかな日那子さんがすでにいましたので、そのお相手として対照的な寡黙な軍人夫・陽太さんが出来ました。憲兵にした理由はなんか「ぽいな」って感じで割と感覚です。
――本作では、陽太と日那子の関係性や、陽太の家と外でのギャップが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
やっぱりまずは仰ってくださった陽太さんのギャップですね。陽太さんは口数は少ないんですが心の中は結構うるさいです。実際私も話すのは得意ではないんですが頭の中では結構いろんなこと考えてますので…陽太さんもそうかなと。あと仕事ではきっちりまとめている髪が雨で乱れているところも。日那子さんは一見ふわふわしたかわいらしいお嬢さんですが、陽太さんのわずかな心の揺らぎを機敏に感じ取ったり鋭い一面もあります。憲兵隊長のお父さん譲りです。そんな2人だから上手く行ってると思います。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
お見合いのシーンで日那子さんが「金平糖みたいでとても綺麗な瞳」と言ったところです。職場で同僚から甘いものは食べないだろうとおせんべいを渡されていた陽太さん。初めてちゃんと正しく自分を見てもらえた喜びが現れています。…ちなみに他の人がこの時の陽太を見ても、いつもの無表情と変わらないです。日那子さんにだけそう見えてます。そのあと「もっとあなたのことを知りたいわ」といってくれたことも陽太さんにとってすごく嬉しいことでした。
――普段作品のストーリーやキャラクターデザインはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
結構何気ないところからふと思いつくことが多いです。街中で見かけた人が「もし軍人なら」とかこの場所を舞台に…この出来事について…とか。私はキャラデザから入ることはほとんどなくて、キャラのパーソナルデータを結構細かく掘り下げます。生まれた時代や季節・出身・家柄・家族構成・軍歴…キャラが勝手に動くまで考えます。そのあとデザインに反映させてます。その人がどういう人かわかるように。あるいは逆にしたり。
――今後の展望や目標をお教えください。
もっといろんな立場の軍人の話を描いていきたいです。今のところ将校ばっかりなので下士兵とか…武官だけじゃなくて文官も掘り下げてみたいですね。あと、普段歴史とか軍人とか興味ない人にも、自分の漫画をうっかり読んで「ちょっと気になるな、調べてみようかな」とか小さなきっかけになってくれたら本望です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
多分これからもいろんな軍人の人生を描いていきたいと思っています。彼らの生きた証を見守っていただけたら幸いです。

