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「水腎症」を引き起こす原因とは? “3つの主な原因”とそれぞれの特徴

「水腎症」を引き起こす原因とは? “3つの主な原因”とそれぞれの特徴

水腎症はさまざまな原因によって引き起こされますが、共通しているのは腎臓から膀胱への尿の流れが何らかの理由で妨げられるという点です。尿管結石や前立腺肥大症、先天性の尿路異常など、それぞれに異なるメカニズムがあります。原因を正しく理解することが適切な治療の選択につながるため、主な原因とそれぞれの特徴についてご説明します。

村上 知彦

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

水腎症の原因|尿の流れを妨げる主なメカニズム

水腎症はさまざまな原因によって引き起こされます。共通しているのは、腎臓から膀胱(ぼうこう)への尿の流れが何らかの理由で妨げられるという点です。このセクションでは、水腎症の主な原因とそれぞれのメカニズムについて解説します。原因を正しく理解することが、適切な治療の選択につながります。

尿管結石による閉塞

水腎症の原因としてよく見られるのが、尿管結石です。尿管とは腎臓から膀胱へ尿を運ぶ細い管のことで、ここに石が詰まると尿の流れが遮られ、腎臓に尿が逆流・蓄積します。結石は尿中のカルシウムや尿酸などの成分が結晶化したもので、食生活や体質、水分摂取の不足などが形成に関係しているとされています。

尿管結石による水腎症は急性に発症することが多く、突然の激しい腰痛や血尿を伴うのが特徴です。結石のサイズが小さい場合は自然に排石されることもありますが、大きな結石や排石が見込めない場合は体外衝撃波結石破砕術(ESWL)や内視鏡的手術などの治療が必要になります。結石の再発予防には、水分を十分に摂ること、食事内容の見直しが有効とされています。

前立腺肥大症・腫瘍による閉塞

男性に多い原因として、前立腺肥大症があります。前立腺は膀胱の出口付近に位置する臓器で、加齢とともに大きくなる傾向があります。前立腺が肥大すると尿道が圧迫され、尿の出が悪くなります。排尿障害が続くと膀胱内に尿が残り(残尿)、さらに腎臓への逆流が起きて水腎症を引き起こす可能性があります。

また、膀胱がんや子宮頸がん、子宮体がんなどの腫瘍が尿管や膀胱を圧迫することでも、尿の流れが妨げられます。腫瘍による水腎症は、がんが進行した段階で発見されることもあるため、日頃の定期検診が大切です。いずれも自覚症状が乏しい段階から進行していることがあるため、排尿に違和感を覚えたときは早めの受診が推奨されます。

先天性の尿路異常

生まれつき尿路の形態に異常がある場合にも、水腎症が起こることがあります。代表的なものとして、腎盂尿管移行部狭窄(じんうにょうかんいこうぶきょうさく)があります。これは腎臓から尿管への接続部分が先天的に狭くなっている状態で、尿が腎臓から出にくくなるため、腎臓内に溜まりやすくなります。

先天性の水腎症は、胎児期の超音波検査で発見されることもあります。軽度であれば経過観察で対応できる場合もありますが、腎機能への影響が大きい場合は手術(腎盂形成術など)による治療が選択されます。子どもの水腎症は成人とは異なる管理が必要なため、小児科や小児泌尿器科での専門的な診察が重要です。

まとめ

水腎症は腎臓に尿が溜まり続ける状態で、放置すると腎機能の低下や感染症などのリスクにつながる可能性があります。クレアチニン値の変化を定期的にチェックすること、腰痛や排尿の変化などの初期症状に早めに気づくこと、そして尿管結石や前立腺肥大症などの原因に対して適切な治療を受けることが大切です。水分摂取や生活習慣の見直しといった日々の取り組みも、腎臓の健康を守るうえで重要な役割を担います。少しでも気になる症状がある方は、泌尿器科や腎臓内科への受診を検討されることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省「第Ⅲ 泌尿器・生殖器の障害 第1 腎臓の障害」

厚生労働省 e-ヘルスネット「CKD / 慢性腎臓病」

日本泌尿器科学会「尿路結石症診療ガイドライン」

国立循環器病研究センター「慢性腎臓病」

日本腎臓学会「診療ガイドライン」

配信元: Medical DOC

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