セレックの仕組みとは?メリット・デメリット、費用の目安を解説します

セレックの仕組みとは?メリット・デメリット、費用の目安を解説します

セレック治療のメリット・デメリット

デジタル技術を用いたセレック治療ですが、受ける前に知っておきたい長所と短所があります。ここではセレック治療の代表的なメリット・デメリットを挙げ、それぞれ解説します。

セレックのメリット

セレック治療には、従来の方法と比べて患者さんにとって大きな利点が数多くあります。主なメリットは下記のとおりです。

メリット内容

治療期間が短い従来は型取りや技工所での製作により数週間かかることもありましたが、セレックなら最短1日で装着まで可能です。通院回数も減り、忙しい方でも治療を行いやすい

型取りの負担が少ない粘土のような印象材を使わず、口腔内スキャナーで撮影するだけで完了します。不快感や嘔吐反射の心配がなく、快適に受けられる

見た目が自然で耐久性も高いセラミック素材は白く自然なツヤがあり、変色しにくさがある。金属アレルギーの心配もなく、適合精度が高いため二次むし歯のリスクも軽減される

費用を抑えられる場合がある外注の技工料が不要なため、従来のセラミック治療より費用が安くなるケースもある。自費診療ではあるものの、経済的な負担を軽減しやすい。

精密なデジタル治療デジタル設計と自動加工で安定した品質を実現できる。適合性がよく外れにくい。データ保存により再作製もスムーズに進む

このようにセレックは、治療期間や快適性、見た目の美しさ、費用面まで幅広いメリットを備えています。特に忙しい方や、より自然な見た目と快適な治療を望む方にとって、大きな選択肢となるでしょう。

セレックのデメリット

セレックには多くの利点がありますが、一方で注意すべき点や従来法の方が望ましいケースも存在します。主なデメリットは次のとおりです。

デメリット内容

適用できない場合があるブリッジのような大きな欠損や複雑な噛み合わせには利用できないことがあり、歯の状態や位置によって従来法が選ばれる場合もある

セラミックが割れるリスク硬い一方で衝撃に弱いため、歯ぎしりや噛む力が強い方では割れや欠けが生じる可能性がある

歯を多めに削る必要セラミックは一定の厚みが必要なため、金属よりも歯を削る量が多くなることがある

色調の再現性に限界既製ブロックから削り出すため、隣の歯と完全に同じ色合いにできない場合がある。審美性を重視する前歯では従来法が推奨されることもある

費用が高額
(保険適用外)公的医療保険が適用されないため、銀歯治療と比べると費用は高額になる。条件によっては保険適用となることもある。

セレック治療は、多忙な現代人にとって大変利便性の高い治療方法といえます。特に「短期間で治療を終えたい」「銀歯を自然な白い歯に替えたい」と考える方には大きなメリットがあります。

また、従来の型取りが苦手な方や嘔吐反射が強い方にとっても、口腔内スキャナーを用いたセレックは負担が少ないです。さらに、歯科医院内で完結するため治療の流れがシンプルで、データが保存されることで将来的に再製作がスムーズに行える点も安心材料でしょう。

一方で、すべての方に適しているわけではありません。例えば、前歯の微妙な色調にこだわる方や、噛み合わせが複雑な方、ブリッジなど大規模な修復が必要な場合には従来の方法のほうが適切なこともあります。

また、セラミックは強度がある一方で衝撃に弱く、歯ぎしりや食いしばりの癖が強い方では破損のリスクを考慮しなければなりません。費用についても保険適用外となるケースが大半であるため、経済的な負担が気になる方にはデメリットになるでしょう。

このようにセレック治療には明確な適応と限界が存在します。治療を検討する際には、ご自身のライフスタイルや希望する見た目、経済面を含めて総合的に判断することが大切です。

セレック治療の流れ

実際にセレック治療を受ける際の大まかな流れを以下に記します。従来の治療と異なる点も含めて、一連の流れを確認してみましょう。

カメラで口腔内を撮影する

まず診察にて歯科医師がむし歯の箇所を治療し、詰め物や被せ物の土台となる形に歯を削ります。その後、従来なら型取りをする場面で、セレックでは専用の3D光学カメラで口腔内をスキャンします。2~3分程度、細長いカメラをお口のなかに当てるだけで高精度の歯型データを取得できます。スキャンした結果はその場でコンピュータ画面に表示され、歯科医師と一緒に自分の歯の状態を確認することもできます。

コンピュータにて修復物を設計する

続いて、取得した歯型データを使ってコンピューター上で詰め物と被せ物の設計を行います。歯科医師が3Dソフトウェア上で噛み合わせの調整や形態の微修正を行い、理想的な歯の形を作り上げます。患者さんの要望も考慮しながら、噛み心地や清掃のしやすさにも配慮してデザインします。設計が完了したら、患者さんの歯の色調に近いセラミックブロックの色を選択します。

セレックが修復物を作製する

デザインデータをミリングマシンに送り、いよいよセラミックブロックの削り出しを開始します。高速回転するバーが自動でブロックを削り、20分程度で精巧な詰め物・被せ物が完成します。従来なら技工所で数日~1週間かかっていた工程が、データ連携と機械加工により院内で即日に行われるのです。削り上がった直後の修復物は少し光沢がなくくすんだ質感ですが、必要に応じて表面を研磨し滑らかに仕上げます。

口腔内に設置する

できあがったセラミック修復物を実際に歯にあてて装着します。まず仮付けの状態で噛み合わせや隣の歯との適合を細かく確認します。高すぎる箇所や当たりが強すぎる部分があれば調整し、問題がないことを確認します。フィットが良好で見た目も問題なければ、歯科用接着剤(レジンセメント)を用いて接着します。数分で接着剤が硬化し、セラミックが歯にしっかり固定されます。最後に噛み合わせの確認を行い、問題がなければ治療完了です。必要に応じて、セラミックを長持ちさせるための歯磨き方法やナイトガードの案内などアフターケアの指導を受ける場合もあります。

配信元: Medical DOC

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