スマホ急性内斜視の検査と診断

スマホ急性内斜視が疑われる場合にどのような検査を行いますか?
スマホ急性内斜視が疑われる場合、眼科ではまず症状が出た時期やスマートフォンの使用状況などを問診します。そのうえで必要な検査を行い、ほかの原因による斜視でないかを調べます。主な検査として次のようなものがあります。
視力検査
眼位検査
複視検査
眼球運動検査
屈折検査
画像検査(MRI/CT)
これら検査をすべて行うのは難しく、特に画像検査はクリニックなどでは行えないところが多いです。そのため、医師が必要と判断した場合は、ほかの医療機関で検査を追加することもあります。
スマホ急性内斜視と診断される基準を教えてください
診察の結果、下記を満たした場合にスマホ急性内斜視と診断されます。
両眼に筋肉や神経の麻痺がなく、眼位のずれが共同性であること
調節麻痺下でも斜視が残存すること
眼位ずれの発症が急であり、スマートフォンなどの長時間近見作業という明確な誘因があること
また、患者さんのスマートフォンやPCの使用時間や姿勢など生活背景も詳しく聞き取って診断の根拠とします。発症前は両眼視に問題がなく正常な眼位だったかも重要な情報です。小児では母子手帳の健診記録や幼少期の写真などから以前は斜視がなかったことを確認します。スマホ急性内斜視と診断された場合、症状の程度に応じて治療方針が立てられます。
スマホ急性内斜視の治療方法と予防法

スマホ急性内斜視の治療方法を教えてください
スマホ急性内斜視は早期に生活習慣の改善や必要な治療を行えば、多くはもとの状態まで回復します。具体的な治療は下記のとおりです。
生活指導(スマートフォンなどの適切な使用)
プリズム眼鏡による治療
視能訓練(両目で見る力を取り戻すためのトレーニング)
A型ボツリヌス毒素の注射
斜視手術
以上が主な治療法ですが、併せて遠視や乱視など視力に影響する屈折異常があれば眼鏡できちんと矯正することも重要です。子どもの場合、眼鏡の度数があっていないことでピント調節に余計な負担がかかり内斜視を引き起こすこともあるため、検査で適切な度数の眼鏡を処方されます。また、治療中もできるだけ両目で物を見るように心がけ、片目だけを使う癖を避けることも大切です。
スマホ急性内斜視はどうすれば予防できますか?
スマホ急性内斜視はスマートフォンが悪いのではなく、スマートフォンの使い方が原因です。日常的に目に優しい習慣を取り入れることで、多くは予防できます。
予防ポイント 内容
距離を保つ スマートフォンの画面は30cm以上離して見る
長時間連続で使わない 20~30分おきに休憩を取り、遠くを20秒以上眺める
姿勢と環境を整える うつ伏せや横向きでの使用や暗い部屋での視聴は避ける
これらの生活習慣を取り入れることで、スマホ内斜視になりにくい環境を作ることができます。

