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「食道がん」の“初期症状”に隠れた『あのサイン』とは?改善への治療法【医師監修】

「食道がん」の“初期症状”に隠れた『あのサイン』とは?改善への治療法【医師監修】

食道がんと診断された場合、治療法はがんの進行度や全身の状態を考慮したうえで選択されます。治療によって胸のつかえや飲み込みにくさの改善が期待できますが、治療後の生活にも変化が生じることがあります。この記事では、内視鏡治療から手術・化学療法・放射線療法・免疫療法まで、主な治療法の概要と、治療後の食生活や身体的なケアについて詳しくご紹介します。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

食道がんの胸のつかえに対する治療と生活への影響

食道がんと診断された場合、その治療はがんの進行度(ステージ)、全身の状態、年齢、そして患者さん本人の希望などを総合的に考慮して、専門家チームによって慎重に決定されます。胸のつかえや飲み込みにくさといった苦痛な症状は、これらの治療によって改善が期待できます。治療法とその後の生活について正しく理解しておくことは、患者さんとご家族が前向きに治療に取り組む上で大きな支えとなります。

食道がんの主な治療方法

食道がんの治療は、主に以下の方法を単独または組み合わせて行われます(集学的治療)。

内視鏡治療:がんが食道壁の最も浅い層(粘膜内)にとどまっているごく早期のがんが対象です。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの手技で、口から入れた内視鏡を用いてがんを切り取ります。外科手術に比べて体への負担が格段に少なく、食道を温存できるのが利点です。
外科手術:がんが進行している場合の根治を目指す中心的な治療法です。がんを含む食道と周囲のリンパ節を広範囲に切除し、胃や腸を使って新しい食道を再建します。胸部、腹部、頸部にわたる大がかりな手術となることが多く、術後の回復にはリハビリテーションが重要です。
化学療法(抗がん剤治療):抗がん剤を点滴や内服で投与し、全身のがん細胞を攻撃する治療です。手術前後に手術の補助として行われたり、放射線療法と組み合わせて治療効果を高めたり、あるいは切除不能な進行がんや再発がんに対して行われます。
放射線療法:高エネルギーのX線をがん病巣に照射して、がん細胞を破壊する治療です。化学療法と同時に行う化学放射線療法が標準的な治療法の一つで、手術と同等の効果を目指す場合や、手術が困難な患者さんに対して行われます。
免疫療法:免疫チェックポイント阻害薬などを用いて、患者さん自身が持つ免疫の力でがんを攻撃する新しい治療法です。進行・再発食道がんに対して、単独または化学療法との併用で用いられることがあります。

これらの治療法の中から最適なものを選択する際には、医師から十分な説明を受け、患者さんと家族が納得した上で決定する「インフォームド・コンセント」と「共同意思決定(Shared Decision Making)」のプロセスが非常に重要です。

治療後の生活と症状の管理

食道がんの治療後、特に外科手術を受けた場合、食生活に大きな変化が生じます。胃を食道の代わりにするため、一度に食べられる量が減ったり、逆流しやすくなったりします。そのため、食事を1日5〜6回に分けて少量ずつ摂取する、よく噛んでゆっくり食べる、食後2時間程度は横にならない、といった工夫が必要になります。また、放射線療法の後遺症として、食道が硬くなり狭窄が残ることもあります。これらの変化に適応し、生活の質(QOL)を維持するためには、医師だけでなく、管理栄養士による栄養指導や、言語聴覚士による嚥下リハビリテーションなど、多職種の専門家からなるチームによる長期的なサポートが不可欠です。治療後も定期的な検査を受け、再発の早期発見に努めるとともに、心身の変化に寄り添うケアを受けながら、新しい生活様式を築いていくことが回復への重要な道のりとなります。

まとめ

食道がんは、早期発見が極めて重要ながんの一つです。「飲み込みにくい」「胸がつかえる」といった症状は、その重要な警告サインであるにもかかわらず、日常的な不調として見過ごされがちです。本記事で解説したように、これらの症状はがんによる物理的な狭窄や食道の運動機能障害によって引き起こされます。特に、症状が「進行性」であること、そして「意図しない体重減少」を伴う場合は、食道がんを強く疑うべきサインです。リスク因子(飲酒、喫煙など)に心当たりのある方は、些細な症状であっても決して軽視せず、2〜3週間以上続く場合は速やかに消化器内科を受診し、内視鏡検査を受けることを推奨します。

参考文献

国立がん研究センター がん情報サービス「食道がん」

国立がん研究センター 「食道がんの治療について」

日本癌治療学会 がん診療ガイドライン「食道がん」

日本食道学会「食道癌診療ガイドライン」

国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計のまとめ」
配信元: Medical DOC

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