結婚して初めて義実家に泊まりに行ったときのことです。キッチンでお茶を出そうと冷蔵庫を開けた瞬間、思わず「うっ……」と声が出そうになるほど、強いにおいが漂ってきました。
冷蔵庫を開けるたびに、強烈なにおいが……
冷蔵庫の中は食材がびっしりで、奥が見えません。何か傷んでいるのでは……? と心配になりましたが、義母に聞くのは失礼かもしれないと思い、結局その場では何も言えませんでした。
その後も、冷蔵庫を開けるたびに独特の発酵臭がします。気になって夫にこっそり相談すると、返ってきたのは「昔からこんな感じだよ」という、まさかのひと言。
夫にとっては慣れたにおいのようでしたが、初めて泊まった私はますます原因が気になって仕方ありませんでした。
義母が取り出した“正体”に驚き
翌朝、義母が朝食の準備をしているとき、ついに“におい”の謎が解けました。義母は冷蔵庫の奥から大きな保存容器を取り出し、「これ、うち自慢の漬物なの」と笑顔で見せてくれたのです。
中には、手作りの漬物がぎっしり! 長年受け継がれてきたぬか床で漬けているのだとか。そう、私が気になっていたにおいの正体は、ぬか床の香りだったのでした。
腐っているのでは……と勝手に思い込んでいた私は、内心かなり焦りました。けれど、恐る恐る漬物を食べてみると、これが驚くほどおいしかったのです。
後日、私は義母に漬物の作り方を教わり、自宅でも挑戦してみました。しかし、同じような味にはなかなかならず、義母のすごさを実感することに。今では義実家へ行くたびに、あの漬物をお土産にもらうのが楽しみになっています。
最初は驚いてしまった冷蔵庫のにおいでしたが、正体は義実家で受け継がれてきた大切な味でした。自分の感覚だけで決めつけず、その家ならではの習慣や文化を知ろうとすることも大切なのだと感じた出来事です。
著者:藤井さとみ/30代女性/2人の子どもを育てる主婦。趣味は映画鑑賞で、寝かしつけのあとに見ています。
イラスト:きょこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)

